黒田長元

黒田長元：秋月藩の改革を担った第10代藩主

黒田長元（くろだ ながもと）は、江戸時代後期、筑前秋月藩の第10代藩主として藩政を担いました。文政11年（1828年）に先代藩主・黒田長韶の養嗣子となり、その後、長韶の娘と結婚。文政13年（1830年）に家督を継ぎ藩主となりました。同年には従五位下・甲斐守に叙任されています。

藩政改革への取り組み

長元は、藩主就任後、先代から引き継がれていた藩内の不正を正すことに尽力しました。特に、専横を極めていた間小四郎一派を流罪に処すという断固たる措置を取り、藩内の秩序回復に努めました。嘉永6年（1853年）には、柳間取締の役職に藤堂高聴とともに加わり、藩政の要職を担いました。

隠居と晩年

万延元年（1860年）に、長元は六男の長義に家督を譲り、藩主の座を退きました。隠居後は自笑庵と号し、静かな生活を送りました。慶応3年（1867年）4月4日、57歳で秋月にて生涯を閉じました。彼の治世は、秋月藩にとって重要な転換期となり、藩政改革における彼の功績は、後世に語り継がれています。

系譜

長元の父は山内豊策、母は藤堂高嶷の娘・順。養父は黒田長韶です。正室には黒田長韶の娘である慶子（慈海院）を迎えました。側室には今村氏がいます。

子女

長元には多くの子女がいました。次男の山内豊福、四男の織田信民、六男の黒田長義は慈海院が生母です。五男の松平忠毅、八男の黒田長徳は側室である今村氏が生母です。娘は久留島通靖に嫁ぎ、後に錦織教久の妻となりました。長男は早世したと考えられます。


長元の生涯は、激動の時代の中で藩政改革に尽力した藩主の姿を示すとともに、当時の社会情勢や藩主の役割を理解する上で重要な手がかりとなります。

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