黒田長義

黒田長義：秋月藩、短命に終わった若き藩主

黒田長義（くろだ ながよし）は、江戸時代後期、筑前国秋月藩の第11代藩主として、激動の時代を生きました。第10代藩主・黒田長元の六男として生まれ、兄たちが他家へ養子に出ていたため、父の嫡子という立場になりました。

安政6年（1859年）12月1日、長義は将軍・徳川家茂に拝謁し、同年12月16日には従五位下・近江守に叙任。後に甲斐守に改めます。これは、藩主としての地位を確立する上で重要な出来事でした。

しかし、藩主としての道のりは決して長くはありませんでした。万延元年（1860年）8月26日、父・長元の隠居に伴い家督を継ぎましたが、わずか2年後の文久2年（1862年）正月26日、16歳という若さでこの世を去ります。その突然の死は、秋月藩に大きな衝撃を与えました。

隠された死と家督相続

長義には嗣子がおらず、彼の死は文久2年（1862年）6月5日まで秘匿されました。これは、藩内の動揺を抑え、混乱を避けるための措置と考えられます。当時の状況下において、藩主の死去は政治的な不安定要素となりかねなかったため、情報統制が行われたのでしょう。

最終的に、長義の跡は弟である黒田長徳が継ぐことになります。長徳は長元の八男であり、兄の遺志を継ぎ、秋月藩を率いていくこととなりました。

黒田長義の系譜

父：黒田長元
母：慶子 - 黒田長韶の娘
* 養子：黒田長徳 - 長元の八男

黒田長義は、短い生涯ではありましたが、秋月藩の歴史において重要な役割を果たしました。彼の死後、藩は新たな指導者の下で、幕末の動乱期を乗り越えていくことになります。若くして藩主となり、志半ばで亡くなった長義の生涯は、歴史の影に埋もれながらも、秋月藩の記憶に刻まれています。

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