黒田長重

黒田長重は、筑前国秋月藩の2代藩主であり、初代藩主・黒田長興の次男として江戸で生まれました。幼名は千之助と称しました。

秋月藩は、長興の晩年から財政状況が悪化していました。寛文5年（1665年）に長重が家督を継ぐと、直ちに財政再建に取り組みます。まず、厳しい倹約令を出し、藩士の生活を質素にすることを求めました。また、藩札を発行し、領内での経済活動を活性化させようとしました。さらに、京都や大坂の商人からの借金返済を一時的に停止し、財政的な余裕を生み出そうとしました。上米制度を実施し、年貢米の一部を藩が買い上げることで、農民の負担を軽減しつつ、藩の収入を安定させました。

これらの政策は、一時的に藩の財政を改善する効果がありましたが、根本的な解決には至りませんでした。しかし、長重の改革は、後の藩政改革の基礎となりました。

長重は、藩政改革だけでなく、藩の組織体制の強化にも取り組みました。家老制度を確立し、藩政を効率的に運営するための基盤を築きました。これにより、藩主の負担を軽減し、家臣の能力を最大限に活用できる体制が整いました。

元禄5年（1692年）には、外様大名でありながら奏者番に任命されました。これは、長重の能力が高く評価されていたことの証です。奏者番は、幕府と諸大名との間の連絡役であり、重要な役割を担っていました。

宝永7年（1710年）10月29日、長重は52歳で秋月にて亡くなりました。跡を長男の長軌が継ぎました。

系譜

父：黒田長興
母：法流院 - 佐竹義隆の娘
正室：富貴子、勝真院 - 黒田光之の次女
子女：黒田長軌（長男） 生母は勝真院

黒田長重は、財政難にあえぐ秋月藩を立て直すために、様々な改革を断行した名君として知られています。その功績は、後世にまで語り継がれています。

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