佐竹義隆

佐竹義隆（さたけ よしたか）

佐竹義隆は、江戸時代前期の大名であり、出羽国久保田藩の第2代藩主です。佐竹氏第20代当主として、その治世を担いました。官位は従四位下・侍従、左近衛少将にまで昇進しています。

生涯

慶長4年（1609年）、佐竹義重の三男である岩城貞隆の長男として誕生しました。幼名は岩城吉隆と名乗っていました。

元和6年（1620年）、父・貞隆の死去により家督を相続し、信濃国中村1万石を領有しました。その後、元和8年（1622年）には、出羽由利郡内で1万石を加増され、領地を拡大します。元和9年（1623年）11月には、中村の領地が収公され、代わりに由利郡に替地を与えられました。それに伴い、由利郡亀田村に陣屋を移転しました。

寛永元年（1624年）12月29日、従五位下・修理大夫に叙任されました。寛永3年（1626年）4月2日、佐竹氏宗家の家督を継ぐ予定であった叔父・佐竹義直が廃嫡されたため、伯父で出羽久保田藩主・佐竹義宣の養子となり、佐竹義隆と名を改めました。同年4月27日には、徳川秀忠・家光父子に御目見えし、同年8月29日には、従四位下・侍従に昇進します。

寛永4年（1627年）9月16日、秀忠に招かれ、鍋島勝茂、京極高広、藤堂高次らと共に、江戸城西ノ丸にて口切の茶会に参加しました。

寛永7年（1630年）11月、幕府からの隠居許可がなかなか下りない養父・義宣は、義隆に対して部屋住料として5万石を与えようとしましたが、義隆はこれを辞退し、従来のままで構わないとしました。寛永10年（1633年）2月26日、義宣の死去により家督を相続し、久保田藩主となりました。同年5月8日、藩主として初めて帰国の許可を得ます。

寛文6年（1666年）12月28日、左近衛少将に昇進し、その武威を高めました。

寛文11年（1671年）12月5日、久保田城にて死去しました。享年63歳でした。

系譜

父：岩城貞隆（1583-1620）
母：慶雲院月庭清心、桂雲院月庭清心大姉 - 相馬義胤の娘
養父：佐竹義宣（1570-1633）
正室：光聚院（1620-1684） - 寿流姫、佐竹義章の娘
次男：佐竹義処（1637-1703）
三男：千松（1639-1639）
次女：桃影童女（1641-1651）
四男：佐竹義慰（1645-1673）
五男：佐竹義長（1655-1741）
側室：隆清院（萬）（1607-1688） - 多羅尾氏
長男：佐竹義寘（1633-1665）
長女：亀子（1629-1684） - 法流院、黒田長興継室
側室：永昌院（千）

偏諱を受けた人物

義隆の治世下で、以下の人物が偏諱を受けました。

小野崎隆政（佐竹義久の子・小野崎宣政の嫡孫）
小場隆房（小場義成の子で小場義易の弟。佐竹義房の父。）
渋江隆光（佐竹義章の子）
多賀谷隆経（彦太郎、戸村義国の次男、岩城宣隆（初め多賀谷宣家）の養子）
多賀谷隆家（左兵衛、戸村義国の三男、隆経の養子）
多賀谷隆経（将監、隆家の子）
伊達隆宗（家臣）
真崎隆紀（家臣、真崎兵庫、多賀谷峯経の外祖父）

脚注

出典

『羽後亀田 岩城家譜』
『寛政重修諸家譜』（五百十二 岩城）
『奥相茶話記』
* 『佐竹秋田家譜』

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