黒神直久

黒神直久

黒神直久（くろかみ なおひさ）は、明治40年12月5日に生まれ、昭和62年5月11日に没した、日本の政治家であり神職です。彼は山口県徳山市長を3期にわたり務め、その後、神社本庁の総長という要職も歴任しました。

経歴

黒神直久は、現在の周南市にあたる徳山町で、遠石八幡宮の宮司を務める家に生を受けました。昭和5年3月には國學院大學神道部を卒業し、神職としての道を歩み始めます。昭和7年3月には県社祐綏神社の社司、昭和8年5月には県社児玉神社の社司、昭和13年2月には県社遠石八幡宮の社司といった役職を歴任しました。これらの職務と並行して、徳山町立実業実践学校で講師も務めています。

戦後の復興期には、徳山市復興土地区画整理委員会の副委員長、そして委員長として、地域の復興に尽力しました。

昭和27年8月には、当時の徳山市長であった池清が健康上の理由で辞職したことを受け、その後継を選ぶ市長選挙に立候補し、初当選を果たしました。市長としての在任中は、前任の長谷川、池両市長の政策を引き継ぎ、戦災復興事業を完了させました。また、競艇事業の開催、徳山動物園の建設、市民館の建設、工場の誘致、民間放送「ラジオ山口」の誘致、向道村との合併など、多岐にわたる事業を実現しました。

昭和36年5月21日、黒神直久は徳山市長を辞職しました。

昭和55年には、神職として最高位にあたる浄階に叙せられました。さらに、昭和58年には神社本庁の総長に就任し、神道界においても重要な役割を果たしました。

その他、徳山商工会議所の会頭、山口國學院の講師、山口県教育委員、ラジオ山口の取締役、徳山森林組合長、株式会社三興の会長、山口放送の取締役など、様々な公職や要職を歴任し、地域社会の発展に大きく貢献しました。

昭和62年5月11日、肺気腫のため生涯を閉じました。

参考文献

人事興信所 編『人事興信録 第21版 上』人事興信所、1961年。
人事興信所 編『人事興信録 第28版 上』人事興信所、1975年。
歴代知事編纂会 編集『日本の歴代市長 : 市制施行百年の歩み』 第3、歴代知事編纂会、1983年。
中西輝磨『昭和山口県人物誌』マツノ書店、1990年。
徳山市史編纂委員会 編『徳山市史年表』徳山市役所、1969年12月25日。

関連項目

遠石八幡宮

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