黒羽刑務所

黒羽刑務所の概要

黒羽刑務所は、栃木県大田原市にかつて存在した男子刑務所です。この施設は法務省矯正局の東京矯正管区に属しており、2022年3月31日に閉庁しました。特殊な収容条件を持ち、多くの有名人や障害者が服役していました。

所在地・収容分類級

黒羽刑務所は大田原市寒井1466-2に位置し、主に禁錮受刑者や暴力団に所属しない短期受刑者、外国人受刑者を収容していました。収容分類級はI、A、Fの3つに分類されており、主に独居房が多い特徴がありました。

収容定員

収容定員は1,780名となっていましたが、2008年末には2,037名に達し、収容過剰の状態が見られました。このため、3畳程度の独居房に2名が収容されたり、定員9名の雑居部屋に12名が入居することもありました。しかし、2011年には施設の受刑者数が定員の80%を下回り、2022年3月の閉庁に向け、受刑者は他の施設に移送され、2021年10月には収容者ゼロの状態になりました。

沿革

黒羽刑務所の歴史は、1971年に宇都宮刑務所と小菅刑務所を統合・移転して開設されたことに始まります。宇都宮刑務所は、1872年に宇都宮城近くに設置された宇都宮懲役署が起源です。小菅刑務所は、その前身として1879年に設置された東京集治監にまで遡ります。様々な歴史的事件を経て、黒羽刑務所は多くの変遷を経て現代を迎えました。

組織と運営

黒羽刑務所は、所長のもとに総務部、医務部、処遇部、分類教育部といった部門が設けられていました。施設内ではPFI（民間参加型施設）運営が進められ、一部の業務は民間業者が担当していました。

設備と職業訓練

刑務所内にはガラス工芸品や木工、印刷、金属、革工の工場がありました。また、建設機械操作の訓練施設も設置され、全国の刑務所から受講生を募り技能を学ぶ機会が提供されましたが、受講者は限られた人数に限られていました。

特別イベントと著名な受刑者

1984年から2019年の間に、黒羽矯正展というイベントが毎年開催され、受刑者の作品が展示されたり、地元団体とのバザーが行われていました。このイベントは多くの関心を集めましたが、2020年の開催は新型コロナウイルスの影響で中止され、2021年には閉庁に向けて縮小されました。

黒羽刑務所には、田代まさしや清水健太郎といった著名な受刑者も在監していました。彼らは、犯罪による社会的地位や影響力があった人物であり、その存在は刑務所の歴史に刻まれています。

廃庁とその後

2022年には閉庁に伴い、黒羽刑務所としての役割は終了しました。宇都宮拘置支所や大田原拘置支所も同様に喜連川社会復帰促進センターへ移管されました。黒羽刑務所の存在は、栃木県にとって重要な歴史的資産として語り継がれることでしょう。

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