黒部三奈

黒部三奈（くろべ みな）は、1977年5月2日生まれ、東京都荒川区出身の日本の女性総合格闘家です。マスタージャパンに所属しています。

異色のキャリアスタート

日本大学芸術学部美術学科を卒業後、コンピューター・グラフィックスのデザイナーとして活動していた黒部三奈は、32歳となった時に運動不足解消とダイエットを目的としてボクササイズを始めました。これがきっかけとなり、次第に格闘技のトレーニングに深くのめり込むようになります。そして、2012年、35歳という年齢でプロ総合格闘家としてのキャリアをスタートさせました。

DEEP JEWELSでの活躍と王座獲得

プロデビュー後、主にDEEP JEWELSを主戦場として経験を積んだ黒部は、2017年2月25日に開催されたDEEP JEWELS 15で、DEEP JEWELSアトム級タイトルマッチに挑戦しました。当時の王者であるスギロックを相手にフルラウンドを戦い抜き、3-0の判定勝ちを収めました。これにより、39歳というキャリアの中で初めてとなる団体の王座獲得に成功しました。

同年6月10日には、韓国のROAD FC 039に参戦。元UFCファイターのハム・ソヒとのROAD FC女子アトム級初代王座決定戦に臨みましたが、3ラウンドにパウンドによるTKO負けを喫し、二冠達成はなりませんでした。

2018年3月10日のDEEP JEWELS 19では、挑戦者のSARAMIを迎えてDEEP JEWELSアトム級王座の初防衛戦を行いました。この試合でも3-0の判定勝ちを収め、王座の防衛に成功。試合後には、観戦に訪れていたRIZIN実行委員長の榊原信行氏から直接RIZINへの参戦オファーを受けました。

同年9月30日、RIZIN.13に初参戦。元Invicta FC世界アトム級王者の浜崎朱加と対戦しましたが、1ラウンドにキムラロックによる一本負けとなりました。

そして、2018年12月1日に行われたDEEP JEWELS 22でのDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチでは、挑戦者の前澤智と対戦。一進一退の激しい打ち合いを見せましたが、1-2のスプリット判定で惜しくも敗れ、王座から陥落しました。

修斗での新たな挑戦と二階級制覇

DEEP JEWELSでのタイトル陥落後、黒部は修斗に戦いの場を移します。2019年7月15日、SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 第6戦で修斗初参戦を果たし、イ・イェジに2ラウンド、リアネイキドチョークで一本勝ちを収めました。

同年11月24日には、SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR FINALで開催された修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメントの一回戦に出場。ターニャ・アンゲラーから2ラウンドにパウンドによるTKO勝ちを収め、準決勝に進出しました。

2020年5月31日、無観客で行われたPROFESSIONAL SHOOTO 2020 Vol.3の準決勝で大島沙緒里と対戦。3ラウンドにパウンドでTKO勝ちを収め、決勝へと駒を進めました。

そして、2020年8月1日のPROFESSIONAL SHOOTO 2020 Vol.5では、修斗の歴史上初めて女子の試合がメインイベントとして行われ、その舞台で修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント決勝に臨みました。対戦相手は杉本恵。スタンドでの攻防で終始優位に立ち、3-0（30-27×3）の判定勝ちを収め、修斗史上初の女子初代王者という歴史を刻みました。これにより、DEEP JEWELSに続いて二つ目の団体のタイトルを獲得しました。

王座陥落、そして現在へ

修斗王者として迎えた初の防衛戦は、2021年11月6日のPROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.7で行われました。DEEP JEWELS時代にも拳を交えたSARAMIと3度目の対戦となりましたが、0-3（46-49、45-49、47-48）の判定負けを喫し、王座から陥落しました。

その後も修斗での戦いを続け、2022年1月16日のPROFESSIONAL SHOOTO 2022 開幕戦では宝珠山桃花に3-0の判定で勝利しました。しかし、2023年1月15日のPROFESSIONAL SHOOTO 2023 開幕戦では、渡辺彩華に2ラウンド、右アッパーによるKO負けを喫しています。

デザイナーから格闘家へと転身し、遅咲きながら二つの団体の頂点に立った黒部三奈は、現在も日本の女子総合格闘技界で活動を続けています。

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