黒部峡谷鉄道本線

黒部峡谷鉄道 本線

黒部峡谷鉄道の本線は、富山県黒部市の宇奈月駅から欅平駅まで、全長20.1kmの道のりを黒部川に沿って走っています。この路線は、歴史的には電源開発を目的として建設され、現在では観光鉄道としても運行されています。

基本情報

• - 営業キロ: 20.1km
• - 軌間: 762mm
• - 駅数: 10駅（起終点駅を含む）
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化区間: 全線（直流600V）
• - 閉塞方式: 自動閉塞式
• - 最高速度: 25km/h
• - 保安装置: ATS

この鉄道は、一般旅客向けのトロッコ列車が運行されており、観光名所として知られていますが、元々は電源開発専用として整備されたもので、現在も資材運搬などのための営業が行われています。

トロッコ列車の運行

鉄道では、機関車が客車を牽引する形で運行されており、開放型客車と密閉型特別客車があるのが特徴です。特別客車には追加料金が必要で、より静音性が高いものもあります。

運行スケジュールは季節によって異なりますが、通常は宇奈月発が8時台から14時台、欅平発が10時台から16時台にかけて、毎時1〜2本の頻度で運行されています。なお、冬期（12月から翌年の4月中旬）には積雪の影響により全線が運休します。

沿線の特徴

黒部峡谷の美しい風景が広がる沿線には、特別保護地区に指定された場所や、特別地域に位置するエリアも含まれています。そのため、観光客は美しい自然とともに貴重な環境を体験できます。さらに、2008年からは専用チケット予約サイトでインターネット予約が可能となり、利便性が向上しています。

鉄道の歴史

この鉄道は1926年、日本電力によって黒部川沿いの電源開発のために開通が始まりました。1937年には現在の終点である欅平駅まで開通し、初めは資材や作業員の輸送用でしたが、観光客の利用希望が高まり、正式に営業運転が開始されました。1953年に地方鉄道法による免許を取得し、正式な鉄道路線として営業を開始した際には、観光名所としての位置付けが確立されました。

運行形態

列車は常に宇奈月駅を起点とし、必ず同駅に戻る運行形式です。一般客は宇奈月駅、黒薙駅、鐘釣駅、欅平駅の4駅を利用できます。一部列車は笹平駅で短時間の折り返し運転を行い、便乗が可能になる場合もあります。

運行が始まる春には、様々な便乗が行われるため、温泉地へのアクセスとしても重要な役割を担います。沿線には黒薙温泉や鐘釣温泉など、観光スポットも多く存在し、訪問者に多様な体験を提供しています。

未来の展望

2024年の開通計画は、自然災害により遅れが見込まれており、再開通が見込まれる頃には新たに鉄道の拡張や安全強化が図られることでしょう。全ての乗客が安全に楽しめる観光地として、黒部峡谷鉄道は今後も引き続き、自然の恵みとともに発展していくことが期待されています。

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