黒野村 (岐阜県稲葉郡)

黒野村（くろのむら）

概要

黒野村は、かつて岐阜県稲葉郡に存在した村です。現在の岐阜市西北部に位置し、伊自良川と板屋川に挟まれた地域でした。現在の地名では、黒野、黒野南、下鵜飼、折立、交人、洞、古市場、今川、御望、柳戸などが該当します。岐阜市に編入された後、この地には岐阜大学が移転し、学生の街としても知られています。

歴史

古代から中世

平安時代には、この地域で鵜飼いが行われていたという記録が残っています。室町時代には、この地で鵜飼漁を行っていた人々が方県郡長良（後の稲葉郡長良村、現在の岐阜市）と各務郡岩田（後の稲葉郡岩村、現在の岐阜市）に移住し、長良川鵜飼と小瀬鵜飼のルーツになったとされています。

戦国時代

1594年（文禄3年）、加藤貞泰は父の遺領である甲斐24万石を継ぎましたが、父が石田三成と不和であったため、若年を理由に美濃黒野4万石に転封されました。

1597年（慶長2年）には、黒野城が築城されました。関ヶ原の戦いの後も加藤貞泰の所領は安堵され、黒野藩が成立しました。

江戸時代

1610年（慶長15年）、加藤貞泰は伯耆国米子藩へ加増移封され、黒野藩は廃藩となりました。

江戸時代末期には、この地域は美濃国方県郡に属し、天領（黒野村・下鵜飼[[村]]・交人[[村]]・古市場村）、尾張藩領（折立[[村]]）、高富藩領（今川村）、磐城平藩領（御望[[村]]）など、複数の領地に分かれていました。

明治時代

1876年（明治9年）8月、黒野村と下鵜飼[[村]]が合併し、黒野村となりました。しかし、1880年（明治13年）4月には、黒野村が分立し、黒野村と下鵜飼[[村]]に戻りました。

1897年（明治30年）4月1日、厚見郡、各務郡、方県郡の一部が合併して稲葉郡が誕生しました。同日、黒野村、下鵜飼[[村]]、御望[[村]]、洞村、交人[[村]]、折立[[村]]、今川村、古市場村が合併し、鵜飼村となりました。

1898年（明治31年）9月、鵜飼村は黒野村に改称しました。

昭和時代

1950年（昭和25年）8月20日、黒野村は岐阜市に編入され、黒野村としての歴史を終えました。

経済

産業

黒野村では主に農業が営まれていました。

『大日本篤農家名鑑』には、黒野村の篤農家として、國島文太郎、安田茂助、河合清平、松井太郎、白木捨治、脇田静三などが挙げられています。

地域

学校

黒野村立黒野小学校（現・岐阜市立黒野小学校）
岐阜県稲葉郡学校組合立稲北中学校（現・岐阜市立岐北中学校）
岐阜県立北方高等学校黒野分校（1972年廃校）

旧跡・観光など

黒野城址
黒野別院（現在は廃寺）

出身人物

北原泰作（部落解放運動家） - 黒野村大字黒野生まれ。軍隊内の差別撤廃を天皇に直訴した人物です。

参考文献

大日本篤農家名鑑編纂所編『大日本篤農家名鑑』大日本篤農家名鑑編纂所、1910年。
岐阜県揖斐郡教育会編『揖斐郡志』揖斐郡教育会、1924年。
北原泰作『賎民の後裔 わが屈辱と抵抗の半生』筑摩書房、1974年。

関連項目

岐阜県の廃止市町[[村]]一覧

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