齋藤隆 (裁判官)

齋藤 隆

齋藤隆（さいとう たかし）は、日本の弁護士であり、元裁判官。長年にわたり裁判官として活躍し、その後弁護士として新たな道を歩んでいる。

略歴

1973年3月、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。1974年9月、司法試験第二次試験に合格。1975年3月、慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程を修了後、1977年4月に裁判官に任官。

裁判官としてのキャリアは、東京地裁八王子支部判事補、秋田地裁判事補、大阪地裁判事補、山形地裁酒田支部判事補、東京地裁判事と多岐にわたる。

1989年からは東京法務局訟務部付（検事）、東京地裁判事（東京高等裁判所職務代行）、長野地方裁判所民事部部総括判事を歴任。

1999年以降は、東京地裁民事第49部（通常部）部総括判事、同第22部（調停・借地非訟・建築事件部）部総括判事、同第21部（民事執行センター）部総括判事を務めた。

2008年からは釧路地方・家庭裁判所所長、札幌地裁所長を歴任し、裁判所長としての手腕を発揮。

2011年8月には東京高等裁判所第21民事部部総括判事に就任。2013年には日本弁護士連合会懲戒委員会委員を兼任。

2015年8月3日に定年退官し、第二東京弁護士会に弁護士登録。現在は、東京都港区のひかり総合法律事務所に所属し、弁護士として活躍している。

人物

齋藤は、新民事訴訟法について、国民がより利用しやすい裁判の実現を目指して制定されたものであり、その中心は争点整理手続きの拡充にあると指摘。これは最も必要な手続きであると述べている。

また、専門委員が鑑定人を兼ねることについては、公平性や透明性に欠けるとして反対の立場をとっている。

判断した主な事件

数多くの事件に関与し、重要な判断を下してきた。以下はその一部である。

2001年 - 金子浩久著作本の三菱自動車による題名侵害事件
2002年 - 美容クリニックにおける患者急死事件。医師の責任を認める判決を下した。
2003年 - 慶應義塾普通部入学辞退生徒の入学金及び授業料返還請求事件、DHCの2ちゃんねる書き込み削除要請不作為による損害賠償請求事件
2004年、2005年 - 東京小中「君が代」不起立処分差し戻し控訴事件
2011年 - 朝木明代元東村山市議の転落死を巡る記事に対する損害賠償等請求控訴事件
2012年 - 新国立劇場元合唱団員に対する不当労働行為差し戻し控訴事件、リコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパンのセクハラ・監禁・暴力不当解雇無効訴訟控訴事件、ジボダンジャパン元従業員の懲戒解雇無効および地位確認訴訟控訴事件、ソニー生命の契約自動失効条項無効および保険契約継続確認差し戻し控訴事件、ホンダ期間契約社員雇止め控訴事件
2013年 - 武富士役員責任追及訴訟控訴事件

著書

『建築関係訴訟の実務』（新日本法規出版）、2002年、2005年、2011年。

裁判官としての経験と知識を生かし、弁護士として社会に貢献している。

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