に

「に」は、日本語の音節の一つであり、平仮名と片仮名で使用される仮名です。

音韻

現代標準語における「に」の発音は、まず、な行の他の字と同様に、舌を歯茎につけて発音する鼻音[n]から始まります。しかし、「に」の場合は、この[n]の音が後続する母音[i]の影響を受けて口蓋化し、舌が硬口蓋に近づいて発音されます。国際音声記号では[nʲ]と表記できますが、硬口蓋に舌を密着させて発音する硬口蓋鼻音[ɲ]で表されることもあります。ただし、実際の発音では、舌が歯茎に密着した状態が保たれており、調音位置は厳密には硬口蓋ではなく歯茎であるため、国際音声記号の用法とは異なる点に注意が必要です。

五十音と順位

五十音順では、「に」は22番目に位置します。一方、いろは順では、「は」の次、「ほ」の前に位置し、4番目にあたります。

字形と由来

平仮名の「に」は、漢字の「仁」の草書体から変化したものです。片仮名の「ニ」は、漢数字の「二」を基にして作られました。

ローマ字表記とその他

「に」のローマ字表記は「ni」です。点字では専用の記号が用いられます。通話表では「日本のニ」、モールス信号では「－・－・」、手旗信号では6と対応します。

発音と関連事項

片仮名の「ニ」は、漢字の「二」と全く同じ形をしています。また、「に」は、後続に「ゃ」「ゅ」「ょ」などのや行の文字を伴って拗音を構成します。この際、や行の文字は小さく書くのが一般的です。「にゃ、にゅ、にょ」の調音点は、「に」とほぼ同じであり、発音上は「にゃ行」に属すると言えます。これらの音は、国際音声記号では、それぞれ[nʲjä], [nʲjɯ̹˕], [nʲjo̜]と表されます。

な行の中で「に」だけが調音点が異なり、他の「な、ぬ、ね、の」と同じ調音点で発音すると[ni]という音になり、日本語の文字体系で表すと「ヌィ」のような音になります。しかし、このような発音は非常に困難であり、ほとんど用いられません。

音楽の音名としては、「ニ」は「レ」の音（D）を表します。天気記号では、「ニワカ（俄）」の略として、にわか雨やにわか雪の際に用いられます。また、漢字の部首である「二部」の部首名は、「二」の呉音から単に「に」と呼ばれます。

関連項目

• - 拗音
• - 日本語の音韻
• - 日本語の文字
• - 五十音
• - いろは順
• - 音楽の音名
• - 天気記号
• - 漢字の部首

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