龍造寺胤久

龍造寺胤久（りゅうぞうじ たねひさ）

龍造寺胤久は、戦国時代の武将であり、肥前国の国人である龍造寺氏の17代当主です。

生涯

15代当主・龍造寺家和の子として誕生しました。母は不明です。正室は、龍造寺胤家の娘である賀昌院です。肥前の有力大名であった九州千葉氏の当主・千葉胤勝から偏諱を受け、胤久と名乗りました。これは、龍造寺氏が千葉氏の影響下にあったことを示しています。

胤久は次男でしたが、兄の胤和が早世したため、その未亡人を娶り、家督を継承しました。しかし、龍造寺氏の一門の最長老である叔父・水ヶ江龍造寺氏の龍造寺家兼が後見人となり、胤久は家兼の補佐を受けました。実質的な権力は家兼が握っており、胤久は傀儡に近い存在でした。

龍造寺氏は、当時、少弐氏や千葉氏の影響下にありました。胤久も、享禄3年（1530年）の田手畷の戦いに参戦しましたが、実際に活躍したのは家兼らであり、胤久自身の武功はほとんど記録されていません。この戦いは、少弐氏と大内氏の戦いであり、龍造寺氏は少弐氏側として参戦しました。

胤久は、家督を継承したものの、実権は叔父の家兼に握られており、その生涯は不明な点が多いです。しかし、龍造寺氏が戦国大名として台頭する前の、激動の時代を生きた人物であることは確かです。

人物像

龍造寺胤久は、兄の早世により家督を継いだものの、叔父の家兼に実権を握られ、傀儡に近い存在でした。そのため、彼自身の人物像については、あまり多くの記録が残っていません。しかし、当時の龍造寺氏が、有力大名の影響下にあった状況を考えると、胤久は、家兼の傀儡でありながらも、龍造寺氏の当主としての役割を果たす必要がありました。

補足

龍造寺胤久の没年や、その後の龍造寺氏の動向については、史料が不足しているため、詳細については不明な点が多いです。
龍造寺氏は、胤久の後の当主である隆信の時代に、戦国大名として大きく発展しました。
* 田手畷の戦いは、九州における戦国時代の重要な戦いの一つであり、龍造寺氏の勢力拡大のきっかけとなりました。

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