龔品梅

龔品梅について

龔品梅（きょう ひんばい、英: Kung Pin-Mei、1901年8月2日 - 2000年3月12日）は、中国におけるカトリック教会の重要な指導者であり、初の中国人司教として知られています。彼は激動の時代にあって、信仰を守り続けたその生涯で、多くの人々に感動を与えました。

生い立ちと教育

彼は江蘇省の松江府河川沙庁でカトリック家庭に生まれ、洗礼名は「イグナチオ」です。イエズス会が設立した聖イグナチオ公学校で教育を受け、1920年には19歳で神学校に入ります。1930年には司祭に叙階され、その後、数多くのカトリック学校の校長を勤めました。

司教としての歩み

1949年、ローマ教皇庁から蘇州の司教に任命され、同年10月には正式に司教として叙階されました。この時、彼は上海教区で初の中国人司教となり、教区長としての役割を担うこととなりました。彼は教区活動に従事し、信者の信仰生活を支えました。

政権との対立

しかし、中国共産党が権力を握ると、彼は過酷な政治的環境に直面します。共産党はカトリック教会に対する管理を強化し、政府主導の教会に従うよう圧力をかけましたが、龔司教はこれに抵抗しました。「投降せず、退かず、裏切らず」という信念のもと、レジオ・マリエを組織し、信徒たちを奮い立たせました。彼は無理な要求を拒み、結果として1949年の「九八事件」で逮捕され、数年間にわたり囚われの身となります。

刑務所生活と貫く信仰

1960年、彼は無期懲役の判決を受け、約30年間を獄中で過ごすこととなりました。この間、彼はミサも聖書も読むことが許されず、厳しい監禁生活を強いられました。だが、彼の信仰は揺るがず、心の中で神への信頼を失うことはありませんでした。

枢機卿任命

1979年、教皇ヨハネ・パウロ2世は彼を枢機卿に任命しました。この決定はひそかに行われ、彼の信仰の偉大さを表すものとなりました。名誉ある地位ながらも、彼は依然として厳しい監視下に置かれていました。

釈放とアメリカでの生活

彼は1985年に部分的に釈放され、1988年には完全に自由を得ました。その後、アメリカに渡り、95歳まではその地で生活し、信仰の自由を訴える活動を続けました。台湾の輔仁大学から名誉博士号を授与されたこともあり、多くの人々から敬意を受けました。

逝去と遺志

龔司教は2000年に98歳で生涯を閉じましたが、彼の信仰と勇気は多くの人に影響を与え続けています。遺言には、共産党の権力が失われたとき、故郷の上海に葬られることを望むと記されていました。彼の敬意と信仰は、現在の中国においても語り継がれることでしょう。

世代を超えて、多くの人々が彼の生涯を通じて信仰の重要性や、信念を持ち続ける勇気を学び続けることが期待されています。龔品梅は、信仰の象徴的存在として、一人の司教としての役割を超えて、歴史に名を刻みました。

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