03式自動歩槍

03式自動歩槍 (QBZ-03)

03式自動歩槍は、中国北方工業公司によって開発された中華人民共和国の自動小銃です。2003年に中国人民解放軍に採用され、2006年から一部部隊での配備が確認されています。

開発の経緯

87式自動歩槍の要件未達成が明らかになったことを受け、第2世代の5.8mm弾を使用する新型自動小銃の開発が始まりました。当初はブルパップ方式と従来方式の2種類が並行して開発され、部隊内で選択できる案も存在しました。しかし、95式自動歩槍の開発が進むにつれて従来方式の開発が困難になり、一旦凍結されました。

その後、ブルパップ方式の95式自動歩槍が全軍に配備されましたが、操作性や信頼性に問題があるという意見が寄せられました。そこで、凍結されていた従来方式の第2世代新型小銃の開発が再開され、「95A式自動歩槍」が開発されました。95A式は当初、95式の派生型として開発されましたが、独自性が強かったため、改良を加えて独立した新型小銃「03式自動歩槍 (QBZ-03)」として採用されました。

2003年12月には中国人民解放軍の試験を通過し、正式採用されました。しかし、先進的なブルパップ方式から従来方式への回帰には疑問の声も多く、議論が重ねられました。最終的には、95式自動歩槍が既に配備されている部隊はそのままに、旧式銃器を使用している部隊の更新用として03式自動歩槍が採用されることになりました。

03式自動歩槍の配備数は95式自動歩槍に比べて少ないものの、一定数が運用されていましたが、2011年頃に95式の改良型である「95-1式自動歩槍 (QBZ-95-1)」が開発され、配備が開始されたため、03式自動歩槍の新規生産は停止されました。しかし、現在でも陸軍国境警備部隊、空軍空挺部隊、武装警察内衛部隊などで現役で使用されています。

バリエーション

T03: 03式自動歩槍の輸出モデルで、EMEIブランドで販売されています。5.56x45mm弾を使用し、STANAGマガジンから給弾できるよう変更されています。セミオート、フルオート、3点バースト射撃が可能です。
T03A: T03の近代化モデルです。伸縮調整可能なAR-15タイプの銃床と、上下左右にピカティニーレールを備えたハンドガード、フレーム上部にもピカティニーレールが追加されています。
EM3531: 03式自動歩槍の輸出向け訓練モデルです。セミオートのみに制限され、.22ロングライフル弾を使用します。T03Aと同様のピカティニーレール付きフレームと銃床を備えていますが、ハンドガードは03式自動歩槍から変更されていません。マガジンは30連風の外観を持つ10連のものを使用します。
11式個人総合作戦システム (QTS-11): 2005年頃に登場した複合小銃で、アメリカのXM29などのOICWに影響を受けて開発されたとされています。03式自動歩槍をベースに、ボルトアクション式の20mmグレネードランチャーが一体化されており、距離設定可能な信号雷管を備えた擲弾を発射できます。照準器には熱感知(サーマルサイト)やレーザー距離測定システムなどの機能も搭載されています。しかし、本体のみで5kg、付属品を含めると18kgにもなる重量のため、実用的ではなく、採用には至りませんでした。

採用国

中国
中国人民解放軍
中国民兵
中国人民武装警察部隊

関連項目

突撃銃
自動小銃
AK-74
95式自動歩槍
191型5.8mm自動歩槍
89式5.56mm小銃

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