12.8 cm PaK 44

12.8 cm PaK 44について

12.8 cm PaK 44は、第二次世界大戦中にドイツ国防軍によって採用された口径128mmの多用途砲であり、主に野砲と対戦車砲としての役割を果たしました。この砲は、特に東部戦線におけるロシア軍の砲兵運用に影響を受けて開発されました。

開発背景

東部戦線での激しい戦闘に直面したドイツ陸軍は、敵の装甲車両に対抗するため、高性能な対戦車砲を必要としました。この要求に応じて、クルップ社に依頼して新しい砲の開発が始まりました。技術的には、チェコのシュコダ社の技術が取り入れられ、最初に12.8 cm K 43が誕生しました。その後、この砲はさらに改良され、12.8 cm K 44（野砲としての呼称）または12.8 cm PaK 44（対戦車砲としての呼称）として正式に採用されることとなります。

特徴

PaK 44の生産は、クルップ社とラインメタル社が担っていました。クルップ社のモデルは、8.8 cm PaK 43に似たソリッドゴムタイヤを使用した4輪型の砲架を持っていましたが、ラインメタル社のモデルは二重防盾と6輪型の砲架を特徴としていました。ラインメタル社のモデルは、射撃時に前部の4輪を持ち上げ、後部の2輪を取り外すことができる設計であり、両者の形状や仕様には違いが見られました。また、多孔式マズルブレーキの形状にも異なるデザインが採用されていました。

PaK 44の弾薬として使用された徹甲榴弾は、重さ28.3kgで初速は950m/sという高い性能を誇り、1,000mの距離で傾斜角60°の200mm装甲板を貫通できる力を持っていました。たとえ貫通できなくとも、弾の重量効果により敵の装甲を機能不全に陥れる能力があり、戦場での有効性を高めました。

後の発展

PaK 44には、簡易自走砲としてのバリエーションも計画され、より大型のヴァッフェントレーガー（武器運搬車）が製作される予定でした。さらに、戦車砲としても利用され、ヤークトティーガーやマウス重戦車には12.8 cm PaK 80 / PjK 80が搭載されることが企画されました。

また、この砲はフランス製の155mm GPF-Tの砲架と組み合わされた12.8 cm K81/1や、ソビエト製152mm M1937の砲架を使用した12.8 cm K81/2などのバリエーションも開発され、様々な戦闘環境での運用が考慮されていました。

結論

12.8 cm PaK 44は、その高い対戦車能力と多用途性から、第二次世界大戦中のドイツ陸軍における重要な武器のひとつとなりました。戦局が厳しくなる中で、PaK 44はその性能を発揮し続け、多くの戦闘において欠かせない存在となったのです。

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