120mm迫撃砲PM-38

120mm迫撃砲PM-38

120mm迫撃砲PM-38（ロシア語：120-мм полковой миномёт обр. 1938 г.）は、第二次世界大戦中にソビエト連邦の赤軍が運用した迫撃砲です。この武器は特に独ソ戦で多く使用され、その設計と機能性においてさまざまな評価を受けました。PM-38は当時の技術を反映する重要な兵器であり、戦後も複数の国々で継続使用されました。

概要

PM-38は「полковой миномёт」とはロシア語で「連隊迫撃砲」という意味を持ち、1938年にB.I.シャヴィリナが開発したことから正式に採用されました。当初、1941年には3,000門が赤軍に配備され、兵力の強化に寄与しました。その後、A.A.コトバの手による再設計が施され、後継モデルの120mm迫撃砲PM-43も登場しました。また、この迫撃砲を縮小したバージョンとして107mm迫撃砲GVPM-38も開発されました。

PM-38の特色の一つは、底板の形状にあります。一般的な四角形ではなく、円形を採用しており、これにより迫撃砲の方向射角を大きく変える際に、全体を設置し直す必要がありませんでした。底板を固定したまま、脚付きの砲身だけを旋回させることができるため、戦闘時の機動性に優れていました。

戦闘での使用

独ソ戦では、この迫撃砲が多数運用されましたが、戦闘の初期段階でドイツ国防軍による鹵獲も少なくありませんでした。実際、ドイツ軍はPM-38を重宝し、これを基にしたコピー品である12cm GrW 42まで製造しました。これはPM-38がいかに効果的な武器であったかを示しています。

戦争が終結すると、PM-38は東側諸国にも供給されました。特に南ベトナム解放民族戦線（ベトコン）がベトナム戦争中にアメリカ軍や南ベトナム軍に対抗するために使用した事例があります。また、ドイツ国防軍が接収したPM-38は12cm迫撃砲378（r）という名称で前線に配備されました。

スペック

120mm迫撃砲PM-38の基本的なスペックは以下の通りです。

• - 重量: 280 kg
• - 砲身長: 1,862 mm
• - 仰角: 45°~80°
• - 水平射角: 6°
• - 初速: 272 m/s
• - 最大射程: 6,000 m
• - 連射速度: 10発/分
• - 砲弾重量: 16 kg

現在の運用国

120mm迫撃砲PM-38は、現在でもいくつかの国で運用されています。例えば、アゼルバイジャン陸軍は2024年時点で27門を保有しています。また、ギニア陸軍は2025年に20門を保有しているとされています。モルドバ陸軍も2023年には7門を保有し、トルクメニスタン陸軍は2024年の時点で66門を運用しています。

このように、120mm迫撃砲PM-38は、設計から長い歴史を持つ武器であり、その影響力は戦後も尚続いています。

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