120mm迫撃砲PM-43

120mm迫撃砲PM-43：ソ連赤軍の重迫撃砲

120mm迫撃砲PM-43は、第二次世界大戦中にソ連赤軍が使用した重迫撃砲です。ロシア語で полковой миномёт（連隊迫撃砲）と呼ばれ、連隊レベルの火力支援部隊で運用されました。

開発と改良

PM-43は、120mm迫撃砲PM-38をА. А. Котова が再設計した改良型として、1943年に採用されました。主な改良点は、緩衝器の大型化と、精巧な高低旋回歯車装置の採用です。これにより、射撃時の安定性と照準精度が向上しました。

運用

戦後もソ連地上軍により長期間運用されましたが、その際は名称とは異なり、連隊用の兵器としてではなく、自動車化狙撃大隊に配属される大隊用兵器として扱われました。現在では、新型の120mm迫撃砲2B11への更新が進み、第一線部隊からは退いています。

移動時には、PM-38と同様の2輪トレーラーに積載して牽引されました。冷戦期のソ連地上軍においては、移動時の牽引にMT-LB牽引車、GAZ-66トラック、GAZ-69小型トラックなどが用いられました。車両による牽引が不可能な場合は、砲身、底板、脚に分解して駄載または人力搬送も可能です。

1970年代のソ連地上軍の編成では、本迫撃砲2門と牽引車両2門で1個迫撃砲小隊を編成し、3個迫撃砲小隊に中隊本部を加えた6門で1個迫撃砲中隊となり、1個自動車化狙撃大隊に所属しました。また、空挺軍においても、1個空挺連隊につき本迫撃砲6門と牽引用GAZ-66トラック6台、GAZ-69小型トラック3台などで構成された1個迫撃砲中隊が所属していました。

スペック

口径：120mm
重量：280 kg
銃身長：1,862 mm
砲弾重量：16 kg
発射速度：15発/分
初速：272m/s
最大射程：5,700m

運用国

カーボベルデ - 2023年時点で、カーボベルデ国家警備隊が6門のPM-43を保有。
マダガスカル - 2023年時点で、マダガスカル陸軍が8門のPM-43を保有。

参考文献

デービッド・C・イスビー著、林憲三訳『ソ連地上軍 兵器と戦術のすべて （元題：WEAPONS AND TACTICS OF THE SOVIET ARMY）』原書房、1987年。ISBN 4-562-01841-0。

外部リンク

* http://www.weltkrieg.ru/artillery/120-mm/

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