15cm sIG33

15 cm sIG 33（重歩兵砲33年型）

15 cm sIG 33は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に使用した特徴的な歩兵砲です。この砲は、1920年代のドイツにおける歩兵支援用火砲の選定に関する議論から生まれました。当時、平射砲と曲射砲のどちらを採用するかという問題がありましたが、最終的には両方の特性を持つ汎用砲が理想とされました。

この歩兵支援砲は、1927年からラインメタル社によって開発が始まり、ヴェルサイユ条約による軍備制限を回避するために、開発作業はソ連との密約に基づいてソ連国内で行われました。この協定により試作砲はソ連に引き渡され、M1931(NM) 152mm臼砲として赤軍に採用されることとなります。

その後、ドイツ国内での改良が続けられ、1933年には正式に就役が承認されましたが、量産型の出荷が始まったのは1936年のことでした。部隊での実際の運用方法は独特であり、歩兵大隊に付属の2つの砲兵中隊がそれぞれ2門の本砲と6門の軽歩兵砲を装備する体制を取っていました。この配置は、迫撃砲と連携して歩兵を支援するためのものでした。

15 cm sIG 33は、重迫撃砲を箱型の砲架に搭載した形状を持っており、7.5cm leIG 18軽歩兵砲と並行して開発されたことから、全体的なスタイルは非常に似ています。初期の生産型は馬匹牽引用の鋼製車輪を持ち、後期型は車両牽引用のゴムタイヤを使用していました。また、戦車の車台に搭載された自走砲も様々に開発されました。

この砲が発射する榴弾は4,700メートルの射程を持ち、敵の迫撃砲から距離を保ちながら効果的に攻撃できました。1942年には、強力な安定翼付きの砲口装填型榴弾、シュティール・グラナーテ42が開発され、コンクリートや装甲に対しても威力を発揮しましたが、取扱いが難しく、射程は1,000メートルに限られたため運用は制約を受けました。また、対戦車用の成形炸薬弾も開発されたものの、実際の威力は限られており、通常の榴弾の方が対戦車戦闘において効果を示しました。

この重歩兵砲は、旧式であるものの、当時のドイツ軍における数少ない大口径の火砲の一つとして位置づけられました。1939年の開戦時には約400門が現役で装備されており、1945年の敗戦直前までAEG社やベーム武器製造会社での生産が継続され、最終的には4,155門が製造されました。しかし、1門あたりの製造コストは非常に高く、20,450ライヒスマルク、軽歩兵砲の3倍に達しました。

特に重いというデメリットがあり、牽引や設置後の移動に多くの時間と資源を要しました。これにより、戦局が進むにつれて敵に鹵獲されることも多く、1945年3月の時点で残存していたのはおよそ1,539門、すなわち生産数の約26%に過ぎませんでした。

まとめ

15 cm sIG 33は、ナチス・ドイツの歩兵戦術を支える重要な火力として活躍しました。様々な改良と運用方法を通じて、歩兵部隊に対する支援能力を提供し続けた歴史的な武器です。

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