1899年のメジャーリーグベースボール

1899年のメジャーリーグベースボールの出来事

1899年はメジャーリーグベースボール（MLB）にとって特に印象深い年であり、この年ブルックリン・スーパーバス（現ドジャース）がナショナルリーグで優勝を果たした。ブルックリンは1890年以来9年ぶり2度目の栄冠を手にし、ファンの期待に応える結果となった。

この優勝の背景には前年の厳しい戦績があったことを忘れてはならない。1898年には12チーム中10位という苦しい状況に置かれ、球団名はブルックリン・ブライドグルームスであった。しかし、1899年には状況が一変する。この変化の要因となったのは、ボルチモア・オリオールズのオーナー、ハリー・フォン・デル・ホーストの経営方針であった。彼はオリオールズとブルックリンの両方を同時に管理し、優秀な選手を多数ブルックリンに移籍させることに成功した。

特に、ネッド・ハンロン監督をはじめ、ジョー・ケリー、ウィリー・キーラー、ジェイ・ヒューズといったオリオールズの主力選手がブルックリンに加入したことで、チームの戦力は大幅に向上した。その結果、ブルックリン・スーパーバスは驚異的な強さを発揮し、リーグの頂点に立った。この年、ジョン・マグローはボルチモア・オリオールズに残留したことも、ブルックリンの急成長を際立たせる要因となった。

この年の個々の選手にも目を向けると、フィラデルフィア・フィリーズのエド・デラハンティの存在が際立っている。彼はこの年、打率.410を記録し、これは彼にとって3度目の4割達成であった。この成績により、首位打者としてのタイトルを手にしただけでなく、打点137、安打238本、二塁打55本というリーグ最多の成績も収めた。デラハンティの記録はメジャーリーグの歴史において、タイ・カッブやロジャース・ホーンスビーと並ぶ特異なものとなる。

ブルックリン球団の歴史を振り返ると、名称が頻繁に変わっていることが特徴的である。1884年にアトランティックスという名でアメリカン・アソシエーションに加盟し、1890年にはナショナルリーグに移るが、その際の名称はブルックリン・ブライドグルームスであった。この球団は時代が進むにつれて、ブルックリン・グレイス、ブルックリン・グルームスなどと名称を変遷し、1899年から1910年までスーパーバスと名乗っていた。1932年にはドジャースに改称され、ロサンゼルスにフランチャイズを移した後もその名称は続き、今なお人気を誇っている。

一方、この年のナショナルリーグでは球団数の縮小が見られ、ボルチモア・オリオールズ、ワシントン・セネタース、クリーブランド・スパイダーズの解散が決定した。さらにルイビル・カーネルズはピッツバーグ・パイレーツに合併され、リーグは再び8球団体制に戻ることとなった。

このように、1899年はブルックリン・スーパーバスが優勝を果たし、個々の選手による素晴らしい記録が生まれた年であったと同時に、リーグ全体の変化が見られた年でもあった。

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