1904年のメジャーリーグベースボール

1904年のメジャーリーグベースボール（MLB）概説

1904年のメジャーリーグベースボールは、4月14日に開幕し、10月10日にシーズンを終了しました。この年は、ナショナルリーグとアメリカンリーグの両リーグで注目すべき出来事がいくつかあり、特に優勝チームや選手の活躍が際立っていました。

ナショナルリーグとアメリカンリーグの優勝

ナショナルリーグでは、ニューヨーク・ジャイアンツが15年ぶりに3度目の優勝を果たしました。ジャイアンツは、前年にボルチモア・オリオールズから引き抜いたジョン・マグロー監督のもとで、強力なチームを構築しました。チームには、クリスティ・マシューソンやジョー・マクギニティといった名投手が揃い、攻撃陣もロジャー・ブレスナハンやビル・ダーレンといった強打者が存在しました。結局、シカゴ・カブスに対して13ゲーム差をつけての快勝となりました。

一方、アメリカンリーグではボストン・アメリカンズが2年連続で勝利を収めました。この年は特に、最終日の試合がドラマチックでした。ボストンとニューヨーク・ハイランダースの間で行われたダブルヘッダーの初戦で、ハイランダースの投手ジャック・チェスブロが暴投を犯し、ボストンが勝利しました。この勝利により、アメリカンリーグの連覇を決定づけました。

ワールドシリーズの中止

ところが、注目すべきはワールドシリーズの中止です。ニューヨーク・ジャイアンツは、アメリカンリーグの優勝チームとの対戦を取りやめる決断をしました。マグロー監督は、アメリカンリーグの会長であるバン・ジョンソンとの対立からこの決定を下しました。ジョンソンは過去にボルチモア・オリオールズの監督兼共同オーナーとして活躍したマグローを引き抜き、彼の反発により、ニューヨーク・ジャイアンツがワールドシリーズに出場しなかったのです。

この決定は選手やファンの間で物議を醸し、選手たちは年俸3000ドルの時代にシリーズに出場できないことに不満を抱いていました。結果的には、ジャイアンツの会長、ジョン・T・ブラッシュもこの決定を問題視し、翌1905年にはワールドシリーズ開催規約を提案しました。これが後の「ブラッシュ・ルール」につながります。

驚異的な投手陣

1904年はまた、数々の記録的な投手が登場した年でもありました。特にジャック・チェスブロは、41勝12敗という驚異的な成績を残しました。これは、1901年以降のメジャーリーグ史上最多勝利数となり、今なお記録として残っています。また、フィラデルフィア・アスレチックスのルーブ・ワッデルも、349奪三振を記録し、この記録は1965年まで破られることはありませんでした。

さらに、ニューヨーク・ジャイアンツのジョー・マクギニティは「アイアンマン」と銘打たれる投手で、9年連続で300イニング以上を投げ続け、そのうち1903年と1904年は400イニングを超えるという偉業を達成しました。これは、彼が推進したエポックメイキングな投球スタイルの象徴でもありました。

シーズンの規則改正

この年にはピッチャーのマウンドの高さに関する規則も新たに制定され、ホームプレートからの高さが15インチ以内という基準が設けられたことも注目されます。

各種の出来事により、1904年のMLBは戦術、選手、そしてリーグ間の対立が互いに影響し合った年として記憶されています。これからも、次なる1905年の進展が期待されるところです。

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