1931年のメジャーリーグベースボール

1931年のメジャーリーグベースボールの概要

1931年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、4月14日に開幕し、10月10日にシーズンを終えました。この年、ナショナルリーグではセントルイス・カージナルスが、アメリカンリーグではフィラデルフィア・アスレチックスがそれぞれリーグ優勝を果たし、前年と同じ組み合わせでのワールドシリーズが繰り広げられました。カージナルスはアスレチックスを4勝3敗で下し、5年ぶりのシリーズ制覇を達成しました。

アメリカンリーグのアスレチックス

フィラデルフィア・アスレチックスは、1929年から3年連続でリーグ制覇を成し遂げており、特に1931年は107勝という素晴らしい成績を残しました。2位のニューヨーク・ヤンキースには13.5ゲーム差をつけての圧勝です。アスレチックスには、打率.390のアル・シモンズや本塁打30本のジミー・フォックスといった強力な打者が揃い、捕手にはミッキー・カクレーン、投手にはレフティ・グローブという層の厚い投手陣もいました。しかし、翌年からアスレチックスは優勝から遠ざかり、長い低迷の時代に突入し、最終的には本拠地を移転してオークランドに落ち着くことになります。

ナショナルリーグのカージナルス

一方、ナショナルリーグのセントルイス・カージナルスは、チック・ヘイフィーが打率.349で首位打者に輝き、ジム・ボトリーや兼任監督フランキー・フリッシュも活躍しました。フリッシュは盗塁王にも選ばれ、チームの機動力を生かして101勝を挙げ、リーグ制覇を果たしました。特にワールドシリーズでは、21歳のペッパー・マーチンが目覚ましい活躍をし、シリーズを大きく盛り上げました。

ワールドシリーズの戦い

ワールドシリーズでは、カージナルスとアスレチックスが熱戦を繰り広げました。アスレチックスの投手陣はレフティ・グローブが2勝、アーンショーが1勝を挙げる一方、カージナルスはビル・ハラハンと38歳のバーリー・グリムスがそれぞれ2勝を挙げました。マーチンは第5戦で4番を打つなど、チームの盗塁数8のうち5つを決めるなど大いに貢献しました。

MVP表彰の復活

この年、最優秀選手（MVP）表彰が復活し、両リーグから1名が選出されることとなりました。アメリカンリーグのMVPにはレフティ・グローブ、ナショナルリーグのMVPにはフランキー・フリッシュが選ばれています。特にグローブは31勝を挙げ、防御率も2.06という驚異的な成績を残し、投手三冠を達成しました。

日本への訪問

シーズン後、アメリカのレジェンドたちが日本を訪問し、日米親善野球を行いました。当時の日本は職業野球が存在しなかったものの、野球人気が高まりつつありました。全米リーグ選抜チームは、東京六大学の大学生たちと対戦し、全17試合を圧倒的な成績で勝利。これにより日本の野球熱がさらに高まり、プロ野球チーム結成の動きへとつながっていきます。

ルールの変更

1931年には、エンタイトルツーベースボールの規則が確立され、犠牲フライの適用がなくなるなど、規則の改訂もありました。

1931年のメジャーリーグベースボールは、記録とともにそれぞれのチームの歴史に刻まれた素晴らしい1年だったと言えます。

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