1932年ロサンゼルスオリンピック

1932年ロサンゼルスオリンピック

1932年のロサンゼルスオリンピックは、7月30日から8月14日にかけてアメリカのロサンゼルスで開催されました。これは、世界恐慌の影響で多くの国が選手団の派遣を見送る中、無投票で決定された特異な大会でした。選手村が初めて設置されたものの、使用されたのは男子選手に限られていました。

開会式とセレモニー

開会式では、アメリカの副大統領チャールズ・カーティスが開会を宣言し、日本選手団は平沼亮三が団長を務めました。特筆すべきは、馬術競技においては、騎兵将校のみが入場行進に参加できたため、他の競技者とは異なり軍服姿での参加となったことです。陸上競技では、初めて写真判定装置が導入され、計時は唯一の企業オメガが担当しました。

不況の影響と選手の活躍

当時の世界的な経済状況が影響し、多くの国がオリンピックに参加できなかったため、参加国は前回大会の約半分に減少しました。この影響でロサンゼルスのスタジアム前では失業者によるデモも発生しました。そんな中でも、日本選手団は陸上競技と競泳で多数のメダルを獲得し、特に男子競泳では5種目を制しました。

金メダリストには、南部忠平（陸上三段跳）、宮崎康二（競泳100m自由形）、西竹一（馬術障害飛越競技）が名を連ねました。馬術競技では、西竹中佐が金メダルを獲得し、彼の愛馬ウラヌスとともに歴史に名を刻みました。また、馬の疲労を考慮し途中棄権した城戸中佐も、動物への配慮から多くの支持を集めました。

メディアと文化の動き

日本放送協会はオリンピック実況中継を計画しましたが、アメリカオリンピック委員会との不和から中継ができず、やむを得ず「実感放送」という方法で情報を伝えました。日本では、「走れ大地を」という応援歌が公募され、当時の17歳の少年が詩を手掛け、山田耕筰が作曲を行い広まりました。この曲は日本選手団の躍進とともに人気を博しました。

競技と成果

残念ながら、この大会でサッカー競技は行われませんでしたが、他の競技では数々のドラマが展開されました。特に、選手たちが力を合わせ国を代表して意識を高めた姿勢は、多くの人々に印象を残しました。大会後、金メダル獲得者はその名声を得て、後のオリンピックやスポーツ全般に強い影響を与えることになりました。

まとめ

1932年ロサンゼルスオリンピックは、経済的困難にもかかわらず、スポーツの力や選手の献身を見せつけた大会であり、参加各国の選手たちの努力が光り輝く瞬間として今でも語り継がれています。

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