1938年の音楽

1938年の音楽

1938年（昭和13年）は、世界的に音楽シーンが大きく動いた年でした。ジャズ、クラシック、歌謡曲など、多様なジャンルで重要な出来事や楽曲が生まれました。以下にその詳細をまとめます。

世界の音楽動向

ジャズの隆盛: ベニー・グッドマンがカーネギー・ホールでジャズ演奏を行い、ジャズが芸術音楽として認められるきっかけとなりました。
新たな才能の登場: シスター・ロゼッタ・サープが音楽活動を開始し、後の音楽シーンに大きな影響を与えました。
音楽の記録: ジェリー・ロール・モートンが、アラン・ローマックスの助けを得て録音を行い、貴重な音源が後世に残されました。

主要な楽曲

洋楽

ビッグ・ジョー・ターナー「ロール・エム・ピート」: ブルースの代表的な楽曲として、後のロックンロールに影響を与えました。
ホーギー・カーマイケル「あなたのそばに」: スタンダードナンバーとして、多くのアーティストにカバーされています。
マルガリータ・レクオーナ「タブー」: エキゾチックなメロディが特徴的なラテン音楽の代表曲です。
マトヴェイ・ブランテル「カチューシャ」: 第二次世界大戦中にソ連で愛唱された軍歌です。
イーゴリ・ストラヴィンスキー「協奏曲「ダンバートン・オークス」」: 新古典主義音楽の傑作として知られています。
サミュエル・バーバー「弦楽のためのアダージョ」: 悲劇的な美しさが特徴的な、映画などにもよく使用される楽曲です。
バルトーク・ベーラ「ヴァイオリン協奏曲第2番」: 技巧的なヴァイオリンが光る、現代音楽の重要な作品です。
フランシス・プーランク「オルガン協奏曲」: オルガンと管弦楽の壮大な響きが印象的な作品です。

邦楽

淡谷のり子「雨のブルース」: 日本のブルースの先駆けとして、独特の歌唱法が話題となりました。
ディック・ミネ「上海ブルース」: ムード歌謡の代表曲として、異国情緒あふれるメロディが人気を博しました。
霧島昇「旅の夜風」: 戦時下においても人々の心を癒した、懐かしいメロディが特徴です。
渡辺はま子「支那の夜」: 中国を舞台にした異国情緒あふれる歌謡曲で、当時の流行を反映しています。
東海林太郎「麦と兵隊」: 戦時歌謡として、兵士の心情を歌い上げ、多くの人々に共感を呼びました。

クラシック音楽

ドミトリー・カバレフスキー「コラ・ブルニョン」
パウル・ヒンデミット「気高い幻想」
ハワード・ハンソン「交響曲第3番」
フランシスコ・カナロ「マドレセルバ」
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ「音楽へのセレナード」
諸井三郎「交響曲第2番」
大澤壽人「ピアノ協奏曲第3番」

戦時歌謡・軍歌

藤原義江「万歳ヒトラー・ユーゲント」
徳山璉「我等は若き義勇軍」

その他の出来事

高峰三枝子「蛍の光」でデビュー: 女優としても活躍した高峰三枝子が歌手としてデビューしました。
* レオポルド・ゴドフスキー死去: ピアニスト・作曲家であるレオポルド・ゴドフスキーがこの世を去りました。

1938年は、音楽史において多様なジャンルが発展し、新たな才能が登場した重要な年でした。これらの楽曲や出来事は、その後の音楽シーンに大きな影響を与え続けています。

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