1943年東京都議会議員選挙

1943年東京都議会議員選挙

1943年東京都議会議員選挙は、1943年9月13日に実施された、東京都議会議員を選出するための選挙です。この選挙は、同年7月1日に東京都制が施行されたことを受け、新たに発足した東京都議会の最初の議員を選ぶために行われました。選挙は、第二次世界大戦中の厳しい社会情勢下で行われ、様々な制約が課される中での実施となりました。

選挙の背景

東京都制の施行は、東京府と東京市を統合し、新たな行政体制を築くためのものでした。この再編に伴い、東京都議会が新設され、その議員を選ぶ必要が生じました。選挙は、都議会の第一期議員を決定する重要なもので、都政の方向性を左右するものでした。

選挙の概要

選挙では、定員100名に対し、303名が立候補しました。これは、廃止された東京府会と東京市会の合計議席数から大幅に減少したため、非常に高い競争率となりました。当時、戦時下であったため、選挙運動には多くの制約がありました。そのため、既存の地盤を持つ前府市議会議員が有利な状況となり、新人の当選者はわずか11名にとどまりました。

大政翼賛会や翼賛政治会は、前年の総選挙や東京市会議員選挙では候補者の推薦を行っていましたが、この都議会議員選挙では「一切関与せず」という方針を取り、候補者の推薦は行いませんでした。これは、戦時体制下での政治的な動きの変化を示すものと考えられます。

選挙結果と特徴

選挙の結果、既存の政治基盤を持つ議員が多数当選しました。これは、戦時下の制約された選挙運動の中で、新人が浸透しにくかったことを示しています。特に、前職の府市議会議員が有利に選挙を進めたことが、この結果に大きく影響しました。

また、西多摩郡では、定員1名に対して立候補者が同数であったため、無投票当選となりました。これは、地域によっては選挙戦が展開されなかったことを示しています。

選挙データ

告示日: 1943年8月24日
投票日: 1943年9月13日
投票率: 約74.7%
議員定数: 100名
* 選挙区: 41選挙区

まとめ

1943年東京都議会議員選挙は、戦時下という特殊な状況下で行われた選挙でした。既存の政治基盤を持つ議員が有利な状況であり、新人の当選は少なかったという結果は、当時の社会情勢を反映しています。この選挙は、東京都の新たな政治体制を構築する上で重要な一歩となりました。

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