1945年の相撲

1945年の相撲界の出来事

1945年は日本の歴史において特異な年であり、相撲界もその影響を受けた。特に、東京大空襲による影響が大きく、相撲の運営や力士たちの生活にも多大な影響を及ぼした。この年、相撲界では数々の重要な出来事があり、力士たちの運命を左右した。

重大な出来事

東京大空襲と両国国技館

1945年3月10日未明、アメリカのB-29爆撃機による東京大空襲が敢行され、特に東京の下町は壊滅的な被害を受けた。この空襲により、両国国技館はギリギリのところで焼け残ることができたが、多くの力士が命を落とした。現役の力士である豊嶌雅男や枩浦潟達也、そして世話人の琴ヶ浦善治郎などがその犠牲者となった。

夏場所の特別開催

6月には、空襲によって延期された夏場所が、神宮外苑相撲場で行われることになったが、両国国技館は大破したため、特別に晴れた7日間非公開で行われ、観客は戦傷者を中心に招待客のみが参加した。この独特な形式での開催が、戦時中の特別な状況を示している。

また、力士たちは幕下以下の力士たちを春日野部屋の稽古場に集め、その場所後の番付編成において重要な決定が下される。特に、東富士の大関昇進が決まったことは注目された。

再開される相撲

10月には、相撲協会が11月の秋場所開催の案内を各部屋に行い、力士たちは準備を進めた。焼け跡に仮稽古場が作られ、稽古が始まる中、戦後の復興が徐々に見え始めていた。11月の秋場所は、進駐軍の要求で開催された慰安大相撲との併合で行われた。

両国国技館の一部修理を経て、開催された秋場所は晴天の中で行われ、仕切り制限時間が初めて設けられたことも新しい時代の始まりを示していた。この場所では、横綱・双葉山が初日から休場し、千秋楽前に引退を発表した。元横綱・男女ノ川は廃業となり、藤島（元横綱・常ノ花）が理事長に再選された。

本場所の結果

六月場所

• - 開催日時: 7日～13日
• - 幕内最高優勝: 備州山順一（7勝0敗、1回目）
• - 十両優勝: 千代の山雅信（6勝1敗）

十一月場所

• - 開催日時: 8日～22日
• - 幕内最高優勝: 羽黒山政司（10勝0敗、3回目）
• - 十両優勝: 羽島山昌乃武（8勝2敗）

両場所とも、東西得点制が採用され、力士たちの活躍が光った。特に羽黒山政司の活躍は目を引き、彼の3回目の優勝は記憶に残る。

新たな命と悲しみ

1945年には新たに誕生した力士も多く、真鶴照久や琉王優貴などがその一員となった。しかし、一方で多くの力士がこの年に命を落とした。特に3月10日は多くの著名力士が亡くなり、その影響は相撲界に深く刻まれた。

亡くなった力士たち

• - 琴ヶ浦善治郎 (前頭筆頭)
• - 射水川成吉 (前頭4枚目)
• - 枩浦潟達也 (小結)
• - 豊嶌雅男 (関脇)

これらの出来事は、戦時中の相撲界の厳しさと同時に、復興への希望が見え始めた年であったことを物語っている。1945年の相撲界は、ただの競技だけでなく、力士たちの人生が交差する場であり、彼らの名前は後の世代に語り継がれることとなる。

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