1946年の相撲

1946年の相撲

1946年は、日本の相撲界にとって重要な歴史的な年であり、戦後の混乱期にあたる中でさまざまな出来事がありました。この時期、相撲は復興の兆しを見せる一方で、社会情勢や選手個々の運命が複雑に絡み合い、さまざまなドラマが繰り広げられました。

アマチュア相撲

1946年11月、相撲競技が第1回国民体育大会秋季大会で行われました。このイベントは奈良県にある橿原道場で開催され、地域の相撲文化の振興に寄与しました。アマチュア相撲もまた、戦後の日本におけるスポーツの復興に貢献しました。

大相撲の動向

年の初め、3月には年寄二所ノ関が連合軍に戦犯容疑で呼ばれて、一時は波紋を呼びましたが、4月には無罪となり解放されました。また、元横綱の男女ノ川が衆議院議員選挙に立候補しましたが、残念ながら落選しました。

4月には京都で準場所が行われ、横綱羽黒山が見事に優勝しました。続いて、5月には8代三保ヶ関が急死し、その結果、三保ヶ関部屋は閉鎖の憂き目に遭いましたが、1950年には再興されることとなります。

6月には国技館の修理工事が遅れたため、本場所が初めて戦後中止となりましたが、それでも大阪で行われた準場所では、前頭2枚目の琴錦が優勝を果たすなど、相撲界は活気を見せていました。9月には、両国国技館が進駐軍に改称され「メモリアル・ホール」となり、名実ともに新たな拠点としての運命を歩み始めました。

11月、メモリアル・ホールでは秋場所が開催され、力道山が新入幕を果たしました。この場所では相撲協会が大蔵省、勧銀と協力し、特別に相撲くじが発売されました。さらには皇太子（後の明仁上皇）が観戦し、相撲界の重要性と国民的な関心が再認識される瞬間でもありました。

場所の11日目には、露払いの照國と太刀持ちの羽黒山を従えた双葉山の引退時の襲名披露相撲も行われ、感動的なひとときとなりました。また、この秋場所の後に行われた番付編成会議では、汐ノ海が大関に昇進することが決定され、横綱・安藝ノ海が引退し、年寄不知火を襲名するなど、相撲界の世代交代が進行していました。

本場所の結果

その後、11月場所はメモリアル・ホールで行われ、11月16日から26日まで開催されました。この場所では、幕内最高優勝が羽黒山政司によって獲得され、彼は13勝0敗という成績で4回目の優勝を達成しました。優勝旗手には三根山隆司が選ばれ、十両では岩平貞雄が優勝を収めています。

選手の生まれた年

1946年には多くの新たな力士たちが誕生しました。たとえば、1月には乾龍初太郎や大鷲平、さらに大竜川一男などが生まれており、これらの選手は後に相撲界で活躍することとなりました。

哀悼の意

一方でこの年には多くの偉大な先人たちが亡くなりました。常陸嶌朝次郎や小柳芦太郎、紫雲竜吉之助などがこの世を去り、相撲界の歴史に名を刻む存在が消えたことを惜しむ声が寄せられました。

1946年は、戦後の日本が復興へ向かう中で、相撲界も新たな挑戦と変革の時を迎えた年であり、多くの出来事が相撲の歴史に影を落としました。この一年を通じて、相撲が持つ精神と伝統がどのように再構築されていったかは、現在の相撲界を知る上でも貴重な歴史的な要素を提供します。

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