三根山隆司

三根山 宝國

三根山 宝國（1922年2月7日 - 1989年8月15日）は、東京都荒川区に生まれ、高島部屋に所属した日本の大相撲力士です。本名は嶋村 島一で、最高位は東大関を記録しました。彼の生涯と相撲界での功績を振り返り、その魅力に迫ります。

生い立ちと入門

三根山は八百屋の長男として生まれ、幼少期から健康な体躯を持ち合わせていました。尋常小学校を卒業後、当初は家業を手伝っていましたが、体格が大きく野菜の荷車を外から引く姿が印象的でした。1936年、相撲界の重鎮・清水川元吉の巡業を見学し、強く引かれて高島部屋へと入門を果たしました。彼は1937年5月場所で初土俵を踏むと、序二段での敗北を経て、迅速に出世していきました。

相撲キャリアの発展

三根山は吉葉山潤之輔や輝昇勝彦と共に「高島三羽烏」と称され、注目を浴びながら昇進しました。1944年令和1発の新入幕から11勝4敗という素晴らしい成績を挙げ、「大物食い」として名を馳せました。特に照国から金星を奪った数々の勝利は、彼を「照国キラー」と呼ばれるまでに育てました。

当時の戦争による影響で、体重が減少し、力士としてのパフォーマンスが影響を受けましたが、戦後は回復し、1953年5月場所で大関に昇進します。1954年の3月場所では12勝3敗で幕内最高優勝を果たし、その後もファンから熱い支持を受けました。

引退後の活躍

1960年1月場所を最後に引退した三根山は、熊ヶ谷を名乗り、新たに自らの部屋を創設しました。彼は高島部屋の名跡を継承し、熱心に弟子を育成しました。「じっくりと時間をかけて」育成するスタンスを持ち、大受久晃を大関へと導くなど、次世代の力士に大きな影響を与えました。しかし、1982年には体調不良から部屋を閉鎖し、1985年には相撲界からの引退を決めました。

特徴と人柄

三根山はその力強い取り口と、出足の鋭さが特徴で、身を寄せる技術に優れ、「疾風」が如く相手を圧倒しました。礼儀正しく、誠実な姿勢は他の力士たちから多くの尊敬を集め、彼は「人格随一」と称されました。

彼の体質はあまり筋肉質ではなく、相撲ファンから抱かれた時の記憶が今も語り継がれています。また、苦しい稽古を耐え抜いたエピソードは多く、1941年の金沢巡業では猛稽古に耐えるも意識が遠のいた経験もあります。

最晩年と死去

晩年は持病が悪化し、1989年に心筋梗塞で67歳で他界しましたが、彼の相撲に対する情熱と人柄は今も多くの人々に語り継がれています。

三根山宝國の生涯は、相撲界の中でも強烈に印象に残るものであり、後進への教えと情熱が今後も伝えられていくことでしょう。

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