大竜川一男

大竜川一男（だいりゅうがわ かずお）は、1946年1月21日、兵庫県加古川市東神吉町に生まれました。本名を和田一男といい、三保ヶ関部屋に所属した元大相撲力士です。身長178cm、体重118kgと恵まれた体格を持ち、最高位は東前頭筆頭にまで昇りつめました。

生い立ちと入門

幼少期から相撲に親しみ、加古川市立東神吉小学校時代からその才能を発揮していました。加古川市高砂市組合立宝殿中学校に進学すると相撲部に入部し、3年生の時には兵庫県中学校相撲大会個人戦で優勝するほどの実力者でした。その活躍が、出身地が近い三保ヶ関親方（元大関・初代増位山）の目に留まり、熱心な勧誘を受けました。中学校卒業直前の1961年1月場所、14歳という若さで三保ヶ関部屋に入門し、初土俵を踏みました。

力士としての活躍

大竜川は、突っ張りからの右四つを得意とし、土俵際の粘り強さも持ち合わせていました。また、突き落としや足技、時には立ち合いでの蹴手繰りも見せるなど、多彩な技で観客を魅了しました。1966年9月場所で十両に昇進、1968年9月場所には念願の入幕を果たしました。

幕内では、1968年11月場所と1969年9月場所の2回、敢闘賞を受賞しましたが、上位力士との対戦ではなかなか勝ち星を挙げることができず、苦戦を強いられました。しかし、弟弟子である増位山（2代目）や北の湖らと共に、三保ヶ関部屋の全盛期を築いた力士の一人として、その名を相撲史に刻んでいます。

1979年5月場所限りで現役を引退し、年寄・清見潟を襲名。後進の指導に尽力しました。1991年には長男が父と同じ三保ヶ関部屋に入門しましたが、残念ながら大成することはできませんでした。協会内では指導普及部を経て、1996年2月より大阪場所担当委員を務めました。

同じ部屋の闘竜（最高位・関脇）は、中学校の後輩にあたります。

引退後と不祥事

2010年5月、2009年名古屋場所で手配した維持員席のチケットが暴力団弘道会幹部に渡っていたことが発覚し、相撲協会から譴責処分を受けました。木瀬親方から5年以上前から依頼され、チケットの調達に関与していたとされています。2011年1月場所限り（場所中に65歳の誕生日を迎えたため、千秋楽までは協会に在籍）で、日本相撲協会を停年退職しました。

主な戦績と記録

通算成績：692勝675敗 勝率.506
幕内成績：162勝228敗 勝率.415
現役在位：110場所
幕内在位：26場所
三賞：2回
敢闘賞：2回（1968年11月場所、1969年9月場所）
通算連続出場：1367回（史上5位）※1979年引退時は通算出場も含めて史上1位の記録でした。

改名歴

増若 一男 （ますわか かずお）1961年3月場所-1964年5月場所
大竜川 一男 （だいりゅうがわ -）1964年7月場所
大龍川 一男 （だいりゅうがわ -）1964年9月場所-1966年9月場所
大竜川 一男 （だいりゅうがわ -）1966年11月場所-1979年5月場所（引退）

年寄変遷

清見潟 一男（きよみがた かずお）1979年5月-2011年1月（停年退職）

参考文献

『戦後新入幕力士物語 第3巻』（著者：佐竹義惇、発行元：ベースボール・マガジン社、1991年、p182-p189）

関連項目

大相撲力士一覧

外部リンク

* 大竜川 一男 - 日本相撲協会

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