1958年の近鉄パールス

1958年の近鉄パールスの振り返り

1958年は近鉄パールスにとって特別なシーズンでした。この年、加藤久幸監督の2年目を迎え、チームは新たな挑戦を開始しました。翌シーズンには球団名を「近鉄バファロー」に変更することが決まっていたため、近鉄パールスとしての最後のシーズンでもありました。

新ユニフォームとその影響

前年からの苦境を打破するため、パールスは新ユニフォームを導入しました。従来の縦縞スタイルを維持しつつ、今後のメインカラーとなる赤を取り入れ、新たな気持ちで臨むことを目指しました。しかし、開幕早々から最下位を独走してしまい、期待が裏切られる形となりました。特に4月には5位の阪急との差が3.5ゲームと近づいていたため、一時的な上昇を期待する声もありましたが、その後のチームはさらに低迷を続けました。

選手たちのパフォーマンスも厳しく、大映ユニオンズから加入した斎田忠利は「まるでチンドン屋」との厳しい評価をするほどでした。この不調なシーズンを助けることができなかった赤色のユニフォームは、結果としてチームの活力を生むことには繋がりませんでした。

結果と辞任

西鉄の強さは際立っており、パールスは50ゲームも彼らに離されてしまいました。また、5位の東映にも27.5ゲーム差をつけられる惨状でした。加藤監督は1年で辞任を余儀なくされ、早々にチームの再建が求められることとなりました。

投手陣と打撃陣の状況

投手陣では、元西鉄の大津守が復活し、チームで最も多くの10勝を挙げましたが、それでも22敗を喫し、リーグで最多敗戦数の選手となりました。他の主力投手たち、武智文雄、榎原好、黒田勉も不調に悩まされ、チーム防御率は4.04となり、1952年以来の6年ぶりの4点台に終わっています。

打撃陣も状況は厳しく、長打力不足が慢性化していました。40本塁打と113盗塁はリーグ4位にとどまり、チーム打率は.215でリーグ最低となりました。四番打者の小玉明利は初の三割を達成するも、三番打者の関根潤三は3ヶ月近く負傷により離脱。チーム全体の成績が振るわない要因が重なり、さらなる窮地に追い込まれました。

新体制への移行

シーズン後、オーナーの佐伯勇はチーム改革に乗り出しました。元巨人の千葉茂を新監督として迎え入れることを決定し、ここでニックネームも「パールス」から「バファロー」に変更されました。千葉監督の愛称「猛牛」にちなみ、チームのイメージを一新する狙いがありました。

また、1958年からは日本生命保険の所有する日本生命球場がホームスタジアムとして新たに使用されることになり、ナイターゲームも可能となりました。藤井寺球場もデーゲーム用に残され、その併用は1983年まで続くこととなりました。

まとめ

1958年は近鉄パールスにとって非常に厳しいシーズンでしたが、この年の経験を基に新たな体制へと移行することが求められていました。新監督のもとで新たなスタートを切ることが期待される中、パールスの未来への希望が見えてくる瞬間を迎えることが期待されます。

もう一度検索