1962年の東映フライヤーズ

1962年の東映フライヤーズ

1962年、東映フライヤーズは歴史に残る特別なシーズンを迎えました。この年は水原茂監督の2年目であり、チームは新たな本拠地として明治神宮野球場を使用し始めました。開幕直後からチームは強力な投手陣を擁し、特に土橋正幸と久保田治の二人は素晴らしいパフォーマンスを見せました。さらに、二遊間には新人の青野修三と岩下光一が抜擢され、安藤元博と尾崎行雄も先発ローテーションに加わり、若手選手たちが急成長を遂げる素晴らしい一年となりました。

投手陣の好調は打線にも影響を与えました。主力打者の山本八郎は不調だったものの、吉田勝豊と西園寺昭夫が安定した打撃を続けました。また、切り込み隊長の毒島章一や4番打者の張本勲も存在感を示し、チームは開幕から首位を走り抜けました。7月の時点で阪急と15ゲーム差をつけていたことからも、その強さが伺えました。

しかし、8月に入ると状況は変わりました。前半戦で最下位だった南海が鶴岡一人監督のもと立て直し、チームが急成長を遂げたのです。この猛反撃に対し、東映フライヤーズは一時的に首位から転落する危機に直面しました。それでも、前半の貯金を活かし、最終的に17年目で球団初のリーグ優勝を達成しました。主力選手の張本はリーグ優勝に大きく貢献し、4年目でMVPにも選ばれました。

日本シリーズでは、水原監督の恩師である藤本定義が指揮する阪神タイガースと対戦しました。初戦は敵地で連敗するも、以降は持ち直して第3戦を引き分けた後、第4戦以降を4連勝。最終的に日本一の栄光を掴むことができました。この年の大きな成功は、大川博オーナーの悲願でもあり、球団にとって特別な意味を持つものでした。

また、このシーズンのハイライトともいえる映画『東映優勝 背番号100』が10月12日に公開されました。この映画は1961年シーズンからの優勝までの道のりを映し出したもので、球団オーナーの大川博が祝勝会で着用した背番号100がタイトルの由来です。この背番号100は、日本ハムファイターズに引き継がれ、後に永遠の欠番として残されることになります。

1962年の東映フライヤーズの成功は、多くのファンの心に残るものであり、球団の歴史において重要なページとして刻まれました。若手選手たちの成長や、チーム全体の団結力が見事に表れたこの一年は、今でも多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索