1963年の中日ドラゴンズ

1963年 中日ドラゴンズのシーズン概要

1963年の中日ドラゴンズは、チームにとって特別な意味を持つ年となりました。前年監督を務めていた濃人渉氏が辞任したため、地元出身の杉浦清氏が監督に就任しました。杉浦氏は、1948年以来15年ぶりに再びチームを指揮することになり、新たなスタートを切りました。

新監督の取り組み

杉浦新監督は就任早々、チームの色合いを一新しました。従来の紺色から「ドラゴンズブルー」と呼ばれる青色に変更し、チームのアイデンティティを強化しようとしました。この変更はチームの活気を生み出し、選手たちにも新たなモチベーションを与えました。さらに、監督の方針のもと、高木守道や江藤慎一といった選手たち、そしてジム・マーシャル、ボブ・ニーマン、ビリー・クラウスなどの外国人選手たちを起用し、Aクラス入りを目指しました。

コーチ陣の一新

コーチ陣も大幅に変更され、杉浦監督のもとで西沢道夫ヘッドコーチと与那嶺要打撃コーチが新たに加わりました。これにより、チーム全体のスタイルや戦略にも変化がもたらされ、選手たちは新たな指導方針の下でプレーすることになりました。

投手陣の活躍

投手陣については、柿本実、山中巽、河村保彦らが中心となり、特に柿本は21勝を挙げチームのエースとして活躍しました。河村も19勝を記録し、安定したピッチングを見せました。この年のチーム防御率は2.84でリーグ2位と、非常に堅牢な投手陣を形成しました。しかし、権藤博が長年の酷使が影響し成績を落としたことや、板東英二もスタミナ不足に苦しんだことが問題視されました。

打撃陣の躍進

打撃面では、江藤、高木、マーシャルたちが大いに活躍し、本塁打と盗塁数で共にリーグ2位を記録しました。特に本塁打数は120本、盗塁数は116と、強力な打撃陣を誇りました。この年を境に、中日ドラゴンズの「強竜打線」が形成されていくこととなります。

結果と評価

最終的にチームは全球団に勝ち越す成績を収め、巨人に2.5ゲーム差をつけられながらも2位でシーズンを終えました。新ユニフォームの効果でチームは活気を得たものの、翌1964年は成績が振るわず、再び最下位に転落。その結果、西沢新監督が就任し、ユニフォームも1965年からは紺色に戻されました。青色が中日ドラゴンズに定着するのは1969年の水原茂監督就任以降ということになります。

このように、1963年は中日ドラゴンズにとって新たな挑戦と試練が交差する一年でしたが、その後の強竜打線の基盤となる重要なシーズンとなりました。

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