1966年イギリスグランプリ

1966年イギリスグランプリ：ブラバムの圧勝とクラーク連勝記録の終焉

1966年7月16日、イギリスのブランズ・ハッチ・サーキットで開催されたF1世界選手権第4戦、イギリスグランプリ。3リッターエンジン時代の幕開けを告げるこのレースは、ブラバム・レプコチームの圧倒的な勝利によって幕を閉じました。

全長4.26kmのコースを80周、総距離341kmという過酷なレースに20台のF1マシンが挑みました。レースウイークは、イタリアでのストライキの影響でフェラーリが欠場するという、異例の事態から始まりました。一方、ベルギーGPでのアクシデントから復帰したジャッキー・スチュワートの姿も注目を集めました。

予選では、ブラバムのジャック・ブラバムがポールポジションを獲得。チームメイトのデニス・ハルムが2番グリッドと、ブラバム・レプコ勢の強さが際立ちました。3番グリッドにはイーグルのダン・ガーニー、そして、グラハム・ヒルとジム・クラークが2列目、ジョン・サーティース、ヨッヘン・リント、スチュワートが3列目に続くという、豪華な顔ぶれが揃いました。

レース当日、開始前には雨が降りましたが、路面は次第に乾いていきました。ほとんどのドライバーがノーマルタイヤを選択する中、リントとサーティースはレインタイヤでスタート。一時的にトップ争いに加わりましたが、路面が乾くにつれ、ヒルやクラークの猛追を受けて順位を下げていきます。また、ガーニーはエンジントラブルでリタイアを余儀なくされました。

レース中盤以降は、ブラバムとハルムによるブラバム・レプコ勢の独壇場となりました。ハルムは、ヒルとクラークに一時的にポジションを奪われましたが、40周目には2位に浮上。一方、クラークはブレーキトラブルによりピットインを余儀なくされ、順位を落としました。それでも、クラークはコース復帰後にサーティースとリントを追い抜いて4位にまで順位を上げました。

最終的に、ブラバムがスタートからフィニッシュまでトップを譲ることなく優勝。ハルムが2位に入り、ブラバム・レプコは初の1-2フィニッシュを達成しました。3位にはヒルが入りましたが、トップ2には1周遅れの差をつけられる結果となりました。この勝利で、ブラバムは前戦フランスGPに続く連勝を飾るとともに、クラークのイギリスGP連勝記録を4でストップさせました。また、6位入賞を果たしたブルース・マクラーレンは、自身率いるチーム・マクラーレンにとって初のポイントを獲得しました。

今大会にスポット参戦したトレバー・テイラーは、1954年に開発されたものの日の目を見ることのなかったクライマックスFPEエンジンを搭載したマシンをドライブしましたが、レース序盤でリタイアに終わりました。

このレースの結果、ドライバーズランキングではブラバムが首位を堅持。2位のヨッヘン・リントに10点差をつける圧倒的な強さを見せつけました。ハルムとバンディーニが3位争いを繰り広げる展開となりました。1966年のイギリスグランプリは、ブラバムの圧勝と、新たな時代の到来を印象付けるレースとなりました。そして、このレースは、F1の歴史に大きな1ページを刻むことになったのです。

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