1968年の南海ホークス

1968年の南海ホークスの動向

1968年、南海ホークスは監督の鶴岡一人が23年目を迎える特別な年でありました。鶴岡監督は長い月日を南海一筋で過ごしてきた経験を生かし、優勝を再び目指すことを宣言しました。この年、ホークスはアメリカからマーティ・キーオを新たに獲得し、さらにドラフトでは高畠導宏を迎えるなど、戦力を刷新。その結果を持って、強いチーム作りを進めました。

しかし、前年シーズンに23年ぶりのBクラスに転落した影響は大きく、1968年の4月は近鉄に対して6ゲームもの差をつけられる苦しいスタートとなりました。ここで重要なのは、野村克也を中心に攻撃陣が奮起し、皆川睦雄の素晴らしいピッチングもあって、5月以降に順位を上げていった点です。皆川選手はこの年、31勝をあげ、卒業した後もダイエーからソフトバンクに至るまで30勝以上の投手は現れていないほどの輝かしい成績でした。

シーズン終盤に追加の展開として、南海は阪急とマッチレースを繰り広げました。この競争が激しい中、10月11日の近鉄戦において勝つことができれば優勝が決まる重要な試合が待ち構えていました。しかしながら、近鉄のエース鈴木啓示に抑えられ、期待された打線は沈黙。その結果、痛恨の敗北を喫し、結局、2位でシーズンを終えることとなりました。

この季節の後、鶴岡監督は川勝傳オーナーへの辞表を提出しました。オーナーが同年に南海電鉄の社長に就任するタイミングでの勇退となり、23年にわたる監督生活に幕を下ろしたのです。

後任には1967年までサンケイの監督を務めていた飯田徳治が就任しました。この年加入したキーオ選手は、ケント・ハドリの後釜として大きな期待を受けましたが、最終的に17本の本塁打を放ったものの打率は伸び悩み、鶴岡監督の辞任と同時にチームを去ることになりました。

さらに、対戦成績に目を向けると、南海は5位の西鉄と最下位の東映に対しては大きな勝ち越しを収めましたが、近鉄との対戦では五分で終わる結果に終わりました。

このように1968年の南海ホークスは、選手の個々のパフォーマンスが光る一方、チーム全体としては厳しい結果となりました。監督の交代を経て、新たな挑戦が始まることに期待が寄せられる年でした。

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