1969年の相撲

1969年の大相撲

1969年の大相撲は、相撲界にとって大きな転換期となった一年でした。数々の出来事が相撲界を揺るがし、その後の相撲の歴史に大きな影響を与えました。

主な出来事

1月：横綱審議委員会委員長に舟橋聖一が就任。相撲博物館館長には石井鶴三が就任しました。
2月：錦島（元大関豊山）が時津風に名跡を変更し、鏡里は立田川に戻りました。また、横綱大鵬が豪州政府の招待で渡豪しました。
3月：横綱大鵬幸喜の連勝が45でストップ。3月場所2日目に戸田智次郎に敗れた一番は、「世紀の大誤審」として大きな問題となりました。この誤審が、後にビデオ映像判定導入のきっかけとなりました。
5月：5月場所から、物言いがついた際の勝負判定にビデオ映像が参考とされるようになりました。また、新弟子検査規定が改定され、18歳までは170cm、70kg以上となりました。場所後の番付編成会議では、清國の大関昇進が決定しました。
7月：大関が連続3場所負け越した場合に関脇に陥落する規定が、連続2場所負け越しに改定されました。横綱柏戸剛が引退し、新大関の清國勝雄が初優勝を飾りました。
9月：9月場所8日目には昭和天皇、皇后が観戦されました。また、初日の土俵で大鵬の30回優勝が表彰され、一代年寄大鵬の名跡が贈られました。十両では若浪が優勝しましたが、これは幕内優勝経験者が十両陥落後に十両で優勝した史上初のケースでした。
10月：立浪理事（元横綱羽黒山）が死去し、追手風（元関脇安念山）が立浪を襲名しました。また、呼出太郎こと戸田貞次郎に勲六等単光旭日章が贈られました。
12月：1970年1月場所の番付発表日が、従来の初日の8日前の土曜日から、13日前の月曜日に変更されました。日本大学の輪島博と東京農業大学の長浜広光が大相撲入りを表明し、大学相撲出身者の大相撲入りが増えるきっかけとなりました。

本場所の結果

一月場所：大鵬幸喜が全勝優勝（29回目）。殊勲賞に清國、敢闘賞に戸田、技能賞に藤ノ川。
三月場所：琴櫻傑將が優勝（2回目）。殊勲賞と敢闘賞に龍虎、技能賞に藤ノ川。
五月場所：大鵬幸喜が優勝（30回目）。殊勲賞に龍虎、敢闘賞に前の山、技能賞に清國。
七月場所：清國勝雄が初優勝。殊勲賞に前乃山、敢闘賞と技能賞に藤ノ川。
九月場所：玉乃島正夫が優勝（2回目）。殊勲賞と技能賞に栃東、敢闘賞に大竜川。
十一月場所：北の富士勝昭が優勝（2回目）。殊勲賞に麒麟児、敢闘賞に龍虎、技能賞に栃東。

年間最優秀力士賞は大鵬幸喜、年間最多勝は北の富士勝昭が獲得しました。

誕生した力士

1969年には、後に大相撲を盛り上げる多くの力士が誕生しました。曙太郎（第64代横綱）や、浪乃花教天（小結）など、後の相撲界を担う力士たちがこの年に生まれています。

亡くなった力士

1969年には、若羽黒朋明（大関）や武藏山武（第33代横綱）など、多くの名力士がこの世を去りました。

まとめ

1969年の大相撲は、連勝記録のストップ、ビデオ判定の導入、大関陥落規定の変更など、数々の出来事が相撲界の転換期を象徴する一年でした。また、新たなスター力士の誕生と、名力士の引退が相次ぎ、相撲界は大きな変化の波に洗われました。この年の出来事は、その後の大相撲の発展に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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