1969年メキシコグランプリ

1969年メキシコグランプリ：ハルムの劇的勝利とブラバムの強さ

1969年F1世界選手権最終戦、メキシコグランプリは、10月19日、マグダレナ・ミクスカを舞台に繰り広げられました。このレースは、65周にわたる激戦となり、予選から決勝まで、ドラマチックな展開で多くの観客を魅了しました。

欠場と代役、そしてエントリーリスト

このレースには合計17台のF1マシンがエントリーしましたが、前戦アメリカGPでクラッシュし足を骨折したグラハム・ヒル（ロータス）は欠場。ロータスは代役ドライバーを起用しませんでした。また、USACチャンピオンシップと日程が重複したマリオ・アンドレッティも欠場となり、代わりにジョン・マイルズが参戦しました。その他、フェラーリは北米代理店であるノースアメリカン・レーシングチーム（NART）から地元のヒーロー、ペドロ・ロドリゲスを擁して参戦しました。

予選：ブラバムの圧倒的な速さ

予選では、ブラバムのBT26Aが圧倒的な速さを発揮しました。ジャック・ブラバムが平均速度174.927 km/hでポールポジションを獲得し、チームメイトのジャッキー・イクスが2番手とフロントローを独占。既にドライバーズチャンピオンを獲得していたジャッキー・スチュワートは3番手、デニス・ハルムが4番手につけました。

決勝：ハルムの粘り強い走り

決勝レースは、16台のマシンでスタートしました。スチュワートが最高のスタートを切り、イクス、ジャック・ブラバムが続きました。しかし、イクスは6周目までにスチュワートを抜き首位に立ち、ハルムはブラバムをパスして3位に浮上。さらにハルムはスチュワートをも抜き、10周目には首位に躍り出ました。その後、上位4台（ハルム、イクス、ジャック・ブラバム、スチュワート）の順位は最後まで変わらず、ハルムが1時間54分8.8秒で優勝しました。2位イクスとはわずか2.56秒差という接戦でした。リントはレース序盤でサスペンショントラブルによりリタイア。ベルトワーズが5位、オリバーが6位に入賞しました。ハルムは、シーズン前半のタイヤの劣勢に苦しんでいましたが、最終戦での優勝でそのフラストレーションを晴らしました。

まとめ

1969年メキシコグランプリは、ブラバムの強さ、そしてハルムの粘り強い走りが見られたレースとなりました。ドライバーズチャンピオンシップ争いも絡み、各チーム、ドライバーにとって非常に重要な一戦だったと言えるでしょう。ハルムの優勝は、シーズンを通しての努力の結晶であり、多くのファンに感動を与えました。 ブラバムチームの表彰台独占も、彼らの高い戦闘力を示す結果となりました。また、このレースでは、予選から決勝まで、順位変動が激しく、最後まで目が離せない展開でした。このレースは、F1の歴史の中でも記憶に残る名勝負の一つとして語り継がれることでしょう。

詳細データ

ファステストラップ: ジャッキー・イクス (1:43.05)
ラップリーダー: ジャッキー・スチュワート (5周), ジャッキー・イクス (4周), デニス・ハルム (56周)

レース結果（トップ5）

1. デニス・ハルム (マクラーレン)
2. ジャッキー・イクス (ブラバム)
3. ジャック・ブラバム (ブラバム)
4. ジャッキー・スチュワート (マトラ)
5. ジャン=ピエール・ベルトワーズ (BRM)

この情報は、主にWikipedia英語版記事(en:1969 Mexican Grand Prix)などを参考に作成されました。詳細な情報は、参考文献をご参照ください。

もう一度検索