1972年の大洋ホエールズ

1972年の大洋ホエールズのシーズン振り返り

1972年、大洋ホエールズは別当薫監督が指揮を執る5年目のシーズンでした。この年、チームは新たな外国人スラッガーを迎え入れるなどして打線を強化しましたが、先発投手陣の不振が目立ち、結果的にチーム成績は厳しいものとなりました。

チームの変化と成績

この年、大洋ホエールズはアメリカからクリート・ボイヤーとジョン・シピンの両選手を新たに獲得したほか、ロッテから江藤慎一選手をトレードで迎え入れました。新加入選手たちは打撃陣を支え、2位の135本塁打を記録しましたが、44盗塁はリーグ最下位という結果に終わりました。打撃の面での強化は見られましたが、投手力の不足でチームはなかなか勝利を重ねることができませんでした。

一方で、前年までチーム防御率でリーグ1位を記録していたものの、今シーズンは先発投手陣の実力が低下したことが大きな痛手となりました。特に、平松政次選手の球威が低下し、他の投手も期待外れの成績に終わる中、チーム防御率は3.66とリーグ5位に甘んじました。このように、充実した打線と脆弱な投手力のアンバランスがチーム成績の低迷を招きました。

監督交代とその影響

シーズン中、他球団での監督交代が相次ぎ、8月31日には大洋ホエールズも別当監督が「優勝が絶望的になった」として休養し、青田昇ヘッドコーチが監督代行を務めることが発表されました。しかし、監督代行となった青田ヘッドコーチも7連敗を喫するなど、厳しい状況が続きました。結果的に、9月23日までの戦績は1勝14敗2分と振るわず、チームは5位でシーズンを終えました。

その後、宮崎剛二軍監督が「代行監督の代行」を務めることになりますが、指揮を執ったのは僅かで、この年の成績を挽回することはできませんでした。

また、シーズン後には別当監督が広島の新監督に就任する一方で、青田ヘッドコーチが正式に監督に就任しました。チームの将来に向けて、選手の再編成とともに新たな方針が求められる年となったのです。

特筆すべき出来事

シーズン中の重要な出来事として、松原誠選手が8月31日の対巨人戦で20号本塁打を放ち、プロ通算150本塁打を達成したことが挙げられます。このハイライトは、チーム全体の成果が振るわない中でも選手個々の成長があることを示す出来事でした。

さらに、11月には本拠地の移転の申し入れが行われるなど、チームの今後についての変化も見込まれました。

まとめ

1972年の大洋ホエールズは、期待された選手の加入や打線の強化があった一方で、投手陣の不振や監督交代といった不安要素も抱えたシーズンでした。5位という成績はチームにとって厳しいもので、この年の経験を経てどうチームが進化していくのかが注目されることになります。

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