1973年の大洋ホエールズ

1973年 大洋ホエールズの振り返り

1973年シーズンの大洋ホエールズは、青田昇が監督に就任し、チームにとって新たな挑戦の年となりました。青田監督は前年のシーズン終盤から監督代行を務めており、1年だけの監督キャリアとなりました。この年、チームは戦力補強を図るために動きがありました。特に注目すべきはロッテへの選手放出や、アメリカからの選手獲得です。

まず、野村収がロッテに移籍し、その代わりに江藤慎一をトレードで獲得しました。また、ジョン・シピンやクリート・ボイヤーといったアメリカの選手たちがチームに加入し、打撃陣の強化を目指しました。これにより、大洋ホエールズは優勝候補にも名を挙げられるほど期待されていました。しかし実際には、結果が伴うことはありませんでした。

新たな試みとしてユニフォームも一新されました。1964年から使用されていた黒と赤を基調としたデザインから、1960年に初優勝した際のオレンジと黒を基にしたデザインに変更されました。この新しいユニフォームは、ファンの期待を一層高める要素となりました。

シーズンの初め、チームは幸先の良いスタートを切りました。特に5月までは、読売ジャイアンツが低迷していたこともあり、広島と共に首位争いを繰り広げていました。しかし、6月に入ると結果は悪化し、チームは7勝15敗という成績に終わり、首位争いからは脱落してしまいます。これが影響し、それ以降はBクラスに低迷することとなりました。

特筆すべきは、投手陣の奮闘です。平松政次がチームトップの17勝を挙げ、山下律夫も13勝を記録しました。また、高橋重行や竹内広明といった若手投手もそれなりの勝ち星を挙げ、チーム防御率はリーグ最下位でありながら3.30を達成しました。それでも、打線がそれを支える力に欠けてしまい、多くの試合で投手陣の好投が無駄になってしまいました。

打撃陣では、松原誠や江藤慎一、シピンの活躍が光り、本塁打は125本を記録しリーグで2位、打率も.243でリーグ2位となりましたが、得点力が不足していたため、勝ち切る試合が少なかったのです。その結果、シーズンを通じて青田監督はわずか1年で辞任し、日本テレビの解説者に戻ることとなります。

さらに、このシーズンで大洋ホエールズに所属した小山正明は、通算300勝を達成した後、現役引退を決意しました。このように1973年の大洋ホエールズは、多くの出来事に満ちたシーズンだったものの、最後には5位という成績でシーズンを終えることになりました。特にファンにとっては、選手たちの活躍や監督交代など、振り返るべき要素がたくさんありました。

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