1973年のJSL

1973年の日本サッカーリーグについて

1973年に開催された日本サッカーリーグ（JSL）の第9回大会では、1部と2部でそれぞれ異なるドラマが繰り広げられました。1部リーグは7月20日から12月2日までの間に行われ、2部は4月7日から11月4日までの日程で実施されました。結果、1部の優勝チームは三菱重工業サッカー部、2部は永大産業サッカー部となり、それぞれのチームに特筆すべき成績が残されました。

JSL1部の戦い

JSL1部では、三菱重工の圧倒的な強さが際立ちました。開幕戦こそ古河電工に0-2で敗れましたが、以降は第2節から14連勝を達成し、絶対的な優位を築きました。この記録は、JSL全シーズンにおける最長連勝記録となり、リーグ戦を通じてその強さを証明しました。11月16日にはヤンマーとの試合で引き分け、連勝記録は途絶えましたが、この結果により三菱重工は1969年以来の優勝を決定づけました。

三菱重工の成功は、MF森孝慈の活躍に大きく依存していました。彼は攻守両面で存在感を発揮し、特に試合の流れを変えるプレーでチームを引っ張りました。また、ベテランFW杉山隆一は、貢献度が高く、体力の問題から出場タイミングを工夫しながら重要なゴールを上げ、勝利に貢献しました。守備陣もGK横山謙三を中心に固さを保ち、特にDF陣の堅守がチームの安定につながりました。

このシーズン中にチーム数が増加し、試合数も56から90に増えたものの、観客動員数は減少し、1試合の平均動員数は前年の5000人台から2000人台にまで落ち込んでしまいました。こうした状況は、リーグ全体の振興の課題として残りました。

JSL2部の成長

一方、JSL2部では永大産業が注目を集めました。創部からわずか2年目というハンデを跳ね返し、見事に1部昇格を果たしました。1973年の2部は、10チームによる2回戦のリーグ戦形式で進行し、競争が激化しました。日本軽金属サッカー部は、会社からのサポートを失い廃部し、羽衣クラブにその資源が移行するという事態も発生しました。

永大産業が優勝を決めたことにより、翌シーズンにはJSL1部での戦いに挑むことになり、サッカー界に新たな風を吹き込みました。8チームが参加した入替戦も行われ、JSL1部9位の日本鋼管と10位の田辺製薬はそれぞれ残留と降格が決まり、永大産業はその一方で昇格を果たすという結果に終わりました。

まとめ

1973年の日本サッカーリーグは、選手個々の成長やチームの戦略が密接に絡み合った充実したシーズンでした。三菱重工業と永大産業のそれぞれの成功物語は、当時の日本サッカー界において非常に重要な意味合いを担っていました。両リーグの成績は、今後のサッカー文化の発展や選手育成において、貴重な経験として活かされていくことでしょう。

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