1974年のラジオ (日本)

1974年は、日本のラジオ放送界にとって、制度の変更や放送網の拡充が進み、同時に多様な新番組が数多く開始された、活気に満ちた一年でした。

放送網と制度の動き

この年には、放送網の再編や拡充が見られました。3月20日には、NHK佐賀の第2放送が、熊本における送信出力の強化に伴い廃止されました。これは、より効率的かつ広範囲な放送サービスを提供するための変更でした。また、3月24日には、NHKが沖縄県でFM放送を開始し、同地域でのサービス拡充を図りました。

民間FM放送局の商号変更も行われています。6月1日には愛知音楽エフエム放送が「エフエム愛知」へ、9月1日には福岡エフエム音楽放送が「エフエム福岡」へと、それぞれ分かりやすい名称に改められました。これらの変更は、地域に根差したFM放送としての位置付けを明確にするものと言えるでしょう。

多数の新番組が登場

1974年のラジオ界を特徴づける最大の出来事の一つは、全国の放送局で非常に多くの新番組がスタートしたことです。特に春の改編期である4月には、多様なジャンルの番組が一斉に始まりました。

各放送局で開始された主な番組を以下に示します。

NHK

NHKラジオ第1放送:
4月6日 - ひるの軽音楽
4月7日 - 上方演芸会
NHKラジオ第2放送:
4月1日 - カレント・トピックス
NHK-FM放送:
4月1日 - ひるの歌謡曲
4月1日 - FMコンサート

東京放送 (TBS)

4月8日 - 世界のマーチ
4月15日 - ラジオでこんばんわ
9月3日 - いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜
10月8日 - ミッドナイトプレスクラブ
開始日不明 - ラジオ寄席
開始日不明 - 青島・フーコの天下のジョッキー

文化放送 (QR)

10月7日 - 朝風ワイド

ニッポン放送 (LF)

1月2日 - 小さな朝の詩
4月3日 - 笑福亭鶴光のオールナイトニッポン
4月6日 - 檜山信彦のほがらか歌謡曲
4月8日 - 橘家圓蔵のハッピーカムカム
4月20日 - 燃えよせんみつ足かけ二日大進撃
開始日不明 - 山口百恵のモモモモ30分
9月2日 - 朝はおまかせアンコーです!
開始日不明 - 吉田拓郎のオールナイトニッポン
10月5日 - 友竹正則のお早ようニッポン
10月5日 - 檜山信彦ショー
開始日不明 - 危機一髪!ラジオよひらけ!ハッピッピ
開始日不明 - ゼロの世界
開始日不明 - 青春ど真ん中

中部日本放送 (CBC)

4月8日 - おはようCBC
開始日不明 - メイコのチビッコ作文教室

東海ラジオ放送

4月15日 - なごやか寄席

朝日放送 (ABC)

4月8日 - フリータイム1010 ハイッ!浜村淳ですABC
開始日不明 - 日曜なつメロ大行進

毎日放送 (MBS)

4月8日 - なつメロ歳時記
4月8日 - 千里万里のさわやか歌謡曲
4月8日 - ハッピー仁鶴
4月8日 - ありがとう浜村淳です
4月8日 - 諸口あきらの野放しジョッキー
4月14日 - なつかしのメロディ〜歌に想いを〜
5月20日 - わたしのナツメロ

ラジオ関西 (CRK)

4月1日 - いソノてルヲのミュージック・ルーム

RKB毎日放送

4月7日 - RKBベスト歌謡50

九州朝日放送 (KBC)

開始日不明 - ばってんさんの歌謡広場

岩手放送 (IBC)

4月14日 - IBC TOP40

ラジオ関東 (現・アール・エフ・ラジオ日本)

2月開始日不明 - ジス・イズ・ジャズ

大阪放送 (OBC)

7月1日 - オーサカ・ナイト・スペース ヤング立入禁止
10月1日 - ごきげんさん!大阪リクエスト
10月5日 - 歌って笑ってドンドコドン
10月12日 - サタディ・バチョン

エフエム東京 (TOKYO FM)

4月1日 - サウンド・フォーカス・イン
4月6日 - 三和シヤッター 歌謡曲ベスト・テン
4月15日 - きまぐれ飛行船〜野性時代〜
10月5日 - ひとつぶの青春
12月2日 - ファインミュージックをあなたに

エフエム大阪 (FM OSAKA)

4月開始日不明 - FMジャズ・スポット
10月開始日不明 - ミュージック・イズ・マイ・ライフ

日本短波放送 (NSB)

1月開始日不明 - ハロージーガム
10月6日 - 日本医学20年の進歩

地方民間放送共同制作協議会

* 開始日不明 - 飛び出せ!全国DJ諸君

これらのリストからわかるように、音楽番組、トーク番組、情報番組、演芸番組など、多岐にわたるジャンルの新番組が全国各地で開始されました。特に深夜放送の代名詞ともいえる『オールナイトニッポン』に吉田拓郎が登場するなど、後年まで語り継がれる番組もこの年にスタートしています。

その他の動き

番組の終了や再開もありました。毎日放送では4月5日に『おはようリスナー阪本時彦です』が終了。ラジオ大阪では6月頃に『ヒットでヒット バチョンといこう!』が終了しました。一方、毎日放送の『MBSヤングタウン』は4月8日に『MBSチャチャヤング』として再開されましたが、こちらは10月4日に再び終了しています。

1974年は、放送網の整備と多くの新しい企画がラジオに投入され、リスナーに新鮮なリスニング体験を提供した年として記憶されるでしょう。この年の動きは、その後の日本のラジオ放送のあり方にも影響を与えました。

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