1977年の大洋ホエールズ

1977年の大洋ホエールズの動向

1977年の大洋ホエールズは、前年に続く別当薫監督のもとでの新たなシーズンを迎えました。この年は秋山登監督標の年であり、初めての B クラスからの脱出を目指してスタートしました。

シーズン序盤はまずまずのスタートを切ったチームですが、7月までの成績は五分五分であり、その後の8月からは連敗が始まり、成績が急落しました。しかし、9月時点ではなんとか5位を維持し、最下位脱出のチャンスもありました。

ところが、10月に入ると3勝9敗1分という成績に苦しみ、結局、この年も最下位に終わることとなりました。それでも、前年と比べて勝率は若干改善されたことが救いでした。

打撃陣の活躍

この年の大洋ホエールズでは、高木由一や田代富雄、加えてベテランの松原誠やジョン・シピンといった選手たちが活躍し、打撃陣は非常に良いコンディションを維持しました。チームの打撃成績は176本のホームランを記録し、優勝した巨人に次ぐリーグ2位の成績を収めました。これによって、当時の大洋ホエールズは「重量打線」と呼ばれる強力な打線を持っていたことが強調されます。

投手陣の接戦

しかし、投手陣は厳しい一年でした。平松政次、杉山知隆、斉藤明夫らが先発ローテーションを任されましたが、新人の斉藤は負け越しながらも新人王を獲得するという珍しい結果を残しました。平松と杉山もそこそこ良い成績を残しましたが、全体的に防御率が3点台に達したのは平松だけで、チーム全体の防御率は前年の4.45から4.94に悪化しました。

横浜市への本拠地移転

シーズン前から横浜市への本拠地移転の話が浮上しており、4月からは反対運動も見られました。川崎市民による反対運動が起こり、合同で「大洋球団の横浜誘致に反対する川崎市民連合」を設立しましたが、その後も球団は横浜市に資金集めを始め、8月に正式に本拠地移転を発表しました。この宣布により、1977年が川崎球場を本拠地とする最後の年となり、翌年からは横浜スタジアムが新たな本拠地になります。

対戦成績

この年の対戦成績に関しては、優勝した巨人に対しては10勝16敗と負け越し、2位のヤクルトには12勝12敗2分と接戦を繰り広げました。また、横浜スタジアムの建設工事が始まり、親会社の大洋漁業は西武鉄道に対して第三者割当増資を行いました。しかし、球団経営権の譲渡交渉は合意に至らず、西武は後にクラウンライターライオンズの買収に動くことになります。

結論

1977年の大洋ホエールズは、シーズンを通じて苦しみながらも、新たな選手たちの成長や打撃陣の力強さを見せた一年でした。移転問題も含め、チームの未来に向けた重要な年であったと言えるでしょう。

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