1978年の横浜大洋ホエールズ

1978年の横浜大洋ホエールズの躍進

1978年、横浜大洋ホエールズは新たなスタートを切りました。この年は、別当薫監督の指揮のもと、横浜スタジアムをホームグラウンドに据えた初めてのシーズンでもありました。チーム名も改称され、公式ロゴは「YOKOHAMA」と変更されました。ユニフォームも一新され、港町・横浜にふさわしいマリンブルーを基調としたデザインが採用されました。この新しい姿勢によって、チームはファンの期待を背負い、シーズンに臨みました。

シーズンの開始当初から、横浜大洋ホエールズは前年の覇者である巨人やヤクルトと競り合う展開が続きました。開幕から順調な成績を収め、8月の時点では巨人とのゲーム差はわずか3.5となり、優勝争いに加わることができました。しかし、シーズンの終盤には両打ともに息切れが見られ、広島に抜かれる苦境に立たされました。しかし、中日の選手の故障により、最終的には4位でシーズンを終えることとなりました。

投手陣では、ベテランの平松政次や2年目の斉藤明夫に加え、この年日本ハムからトレードで復帰した野村収が好成績を収めました。特に野村は17勝を挙げ、別当監督の期待に見事に応え、チームの4位躍進に大きく貢献しました。また、全体の防御率は3.90となり、リーグにおいても2位と安定したパフォーマンスを見せました。

打撃陣においては、巨人へ移籍したジョン・シピンの穴を埋めるために、大リーグからフェリックス・ミヤーンが加入しました。彼はその打撃力と守備力によって、チームに大きな貢献を果たしました。特に本塁打数は前年の176本から132本に減少しましたが、松原誠や田代富雄、高木由一などの活躍により、チーム打率はリーグ3位の好成績を記録しました。

対戦成績では、最下位の阪神との対戦では19勝5敗2分と圧倒していましたが、中日に対しては僅差で14勝12敗と勝ち越すのがやっとという状況でした。シーズンが終了した後は、ホエールズの第2位株主であった西武鉄道がクラウンライターライオンズを買収したため、持ち株の一部をTBSやニッポン放送に売却しました。これは球団にとって大きな変革の兆しとなり、今後の展開にも影響を与えることとなります。

横浜大洋ホエールズの1978年は、新たなホームグラウンドのもと、新監督が指揮を執り、新たな選手たちが加入することで、新たな歴史を築こうともがいたシーズンと言えるでしょう。

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