1979年欧州議会議員選挙 (イタリア)

1979年イタリア欧州議会議員選挙：民主主義の進展と政党政治の現状

1979年6月10日、イタリア共和国では欧州共同体（EC）の議会である欧州議会議員を選出する選挙が実施されました。これは、EU加盟国国民による初の直接選挙であり、イタリア国民の欧州統合への関与を示す重要な出来事でした。本稿では、イタリアにおけるこの選挙の結果と背景について詳細に分析します。

選挙制度と概要

イタリアは、全国を5つの選挙区（北西部、北東部、中部、南部、島嶼部）に分割。比例代表制を採用し、81議席を争いました。有権者は18歳以上で、投票は政党名簿に対して行われましたが、名簿中の候補者の中から優先的に選好する候補者に投票する「優先投票」制度が導入されていました。ただし、選挙区定数の3分の1から1票の制限がありました。

議席配分は、まず全国の得票数に基づき、最大剰余方式（ヘアー式）で各政党への議席配分が行われました。その後、各政党の獲得議席を、各選挙区における得票数に応じて、再びヘアー式で配分するという、二段階の配分方法が採用されていました。少数民族政党への優遇措置も存在しました。各政党名簿における当選者は、優先投票数が多い候補者から順に決定されました。

選挙結果と分析

選挙は高い投票率85.65％を記録し、42,203,405人の有権者中、36,148,180人が投票しました。選挙結果は、イタリアの政党政治の勢力図を反映したものとなりました。具体的な政党別の得票数や議席数は、残念ながらこの資料からは読み取れませんでしたが、この選挙はイタリアにおける政党政治の動向、そして欧州統合への国民意識を測る上で重要な指標となりました。

この選挙結果が、その後イタリアの政治や社会、そしてEUにおけるイタリアの役割にどう影響を与えたのか、詳細な分析には、政党別の詳細な得票数、当選者リスト、そして選挙後の政治状況の変化などを知る必要があります。

選挙の意義と今後の展望

1979年のイタリア欧州議会議員選挙は、イタリア国民が欧州統合に直接関与する最初の機会であり、イタリアの民主主義の成熟を示す重要な出来事でした。この選挙を通して、国民は欧州レベルでの政策決定に影響を与える権利を獲得しました。また、この選挙はイタリアにおける政党政治の現状を反映し、今後の政治動向を占う重要な指標となりました。

今後の研究では、選挙結果の詳細なデータ分析に加え、当時の社会情勢、メディア報道、国民の意識などを多角的に検討することで、この選挙の意義と影響をより深く理解することが重要です。また、この選挙を現代の欧州議会選挙と比較することで、イタリアにおける欧州統合への意識の変化や、政党政治の変遷なども考察できるでしょう。

参考文献

Ministero dell'Interno Archivio Storico delle Elezioni イタリア内務省選挙アーカイブ
西平重喜『各国の選挙　変遷と実情』木鐸社
* 馬場康雄・平島健司編『ヨーロッパ政治ハンドブック』東京大学出版会

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