1989年の横浜大洋ホエールズ

1989年の横浜大洋ホエールズのシーズンレビュー

1989年、横浜大洋ホエールズは古葉竹識監督の3年目のシーズンを迎えました。この年は多くの困難に遭遇し、チームは結果を出すことができなかったため、彼の指導力が問われることになりました。特に、前年に本塁打と打点の二冠王を獲得したカルロス・ポンセが、本シーズンは打率が低迷し、チームの成績に大きな影響を与えました。

チームは巨人との対戦で10連敗を喫するなど、成績は厳しく、特に5月までの成績は5勝21敗と大きく負け越していました。この結果、巨人が独走する原因となってしまいました。打撃陣では、ジム・パチョレックが2年連続で打率2位を獲得し、山崎賢一が中盤から4番を任され、自己最高の成績を残したものの、チームの得点（407点）と本塁打（76本）はリーグ最下位でした。

投手陣に関しても厳しい状況が続き、チームの最多勝利投手は欠端光則で9勝のみ。二桁勝利を挙げた投手はおらず、チーム全体の失点もリーグ最下位の結果でした。しかし、新たに加入したルーキーの谷繁元信が5月に本塁打を記録し、期待を抱かせました。また、高卒2年目の左腕・野村弘樹を先発ローテーションに起用し、3勝11敗という成績ではありましたが、指導を続けました。

シーズン終盤の10月には、巨人との3連戦で3試合連続完封負けを喫し、相手の胴上げを許すという屈辱を味わいました。その結果、古葉監督は契約を残しつつも辞任を決定しました。最終的には、巨人とのゲーム差が36.5ゲームに達し、4位のヤクルトに対しても8ゲーム差、つまり1984年以来の最下位に沈むこととなりました。

シーズン中の出来事には、2月19日の対日本ハムファイターズとのオープン戦での勝利や、若菜嘉晴の無償トレード、ポンセの暴力事件など、様々なアクシデントが発生しました。また、高木豊、遠藤一彦、新浦壽夫などの選手がそれぞれ通算の重要な記録を達成したことも印象的です。

シーズン終了後、後任監督として、これまで巨人の二軍監督を務めていた須藤豊が就任し、コーチ陣も一新されました。今後のチームの再建が期待される中、1989年のシーズンはチームにとって試練の年として記憶されることになりました。名選手の活躍や数々の記録も残しつつ、組織全体として再出発を切る年でもありました。

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