1991年冬季ユニバーシアード

1991年冬季ユニバーシアード

1991年の冬季ユニバーシアード（XV Winter Universiade）は、3月2日から3月10日までの期間に日本の札幌市で開催されました。この大会は、日本における冬季ユニバーシアードの初開催となり、夏季大会を含めると通算で3回目の日本開催となります。

開催の経緯

1986年、札幌市は1991年開催の冬季ユニバーシアードを誘致する意向を表明しました。翌年の1987年7月に、FISU（国際大学スポーツ連盟）の総会で当大会の開催地が内定し、11月には実行委員会によって札幌での開催が正式に決定しました。これにより、日本は冬の大学生スポーツの国際的な舞台で重要な役割を果たすことになりました。

ハイライト

大会期間中、様々な競技で多くの選手たちが輝かしい成績を収めました。特に、クロスカントリースキー女子の大田美和選手は、個人3種目で優勝し注目を浴びましたが、団体では銀メダルに留まり、全種目制覇は叶いませんでした。一方、スキージャンプでは伊藤直人選手が団体を含む全ての種目で優勝し、圧巻のパフォーマンスを見せました。

また、ショートトラックスピードスケートでは韓国の金琪焄選手が個人競技四種目全てを制するという快挙を達成しました。

聖火

大会の聖火は、1991年2月5日の14時に第42回さっぽろ雪まつりの会場で採火され、特設聖火台にて灯されました。聖火は北海道庁や札幌市役所などで一般公開され、2月25日に選手村が開村すると、札幌市役所前に集火されました。開会式当日の3月2日には聖火リレーによって真駒内屋内競技場に運ばれ、選手たちを迎えました。この聖火は大会終了後、7月14日からの第16回夏季ユニバーシアードの開催地であるイギリスのシェフィールドに引き渡されることとなりました。

参加国と選手

大会には34ヵ国から719名の選手が参加し、その内訳は男性498名、女性221名でした。参加国にはオーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フィンランド、日本などが名を連ねており、非常に多様な顔ぶれとなりました。特に日本からは88名の選手が参加し、温かい地元の応援を受けながら競技に挑みました。

実施競技と会場

各競技は複数の会場で行われました。真駒内屋外競技場ではスピードスケートが行われ、真駒内屋内競技場では開会式と閉会式、アイスホッケー、フィギュアスケートが行われました。他にも月寒体育館、美香保体育館、大倉山ジャンプ競技場など、各競技に応じた専用の施設が用意されました。

このユニバーシアードは、参加選手たちのスピリットと競技の熱気が交わる素晴らしい場であり、国際的な大学生スポーツ文化の促進に貢献したことは間違いありません。選手たちが切磋琢磨し合い、国境を越えた友情が育まれた大会の記憶は、今も多くの人々の心に残っています。

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