1997年のテレビ (日本)
1997年（平成9年）は、日本のテレビジョン放送において、放送局の基盤整備や番組編成、そして社会現象となる出来事が相次いだ記憶に残る一年でした。この年は、二つの主要なテレビ局が長年親しんだ場所から新たな本拠地へと移転し、また、新たなテレビ局が開局するなど、放送網の拡大と再編成が進んだ時期でもあります。
まず、放送局の物理的な変化として挙げられるのが、フジテレビと関西テレビの相次ぐ本社移転です。フジテレビは3月に新宿区河田町から港区台場に、関西テレビは10月に北区西天満から扇町へそれぞれ移りました。特にフジテレビは新社屋への移転を記念し、7夜連続の特別番組を放送するなど、大きな話題となりました。さらに、この年は地方における民放局の開局も進み、4月1日には山形県にさくらんぼテレビジョン、高知県に高知さんさんテレビがそれぞれ開局。これにより、フジテレビ系列局の開局は一区切りを迎え、山形県では民放4系列4局のフルネット化が完了しました。一方、局運営においてはCM間引き問題が福岡放送と北陸放送で発覚し、民放連から会員活動停止処分を受けるという事態も発生しています。CS衛星放送では、パーフェクTV!が有料放送を開始したほか、年末にはディレクTVも放送を開始するなど、多チャンネル化への動きも見られました。また、NHK総合テレビがこの年から24時間終夜放送を開始し、テレビ視聴の可能性がさらに広がりました。
番組編成においては、長寿番組の終了やリニューアル、新たな人気番組の誕生が目立ちました。3月には1975年から20年以上続いたフジテレビ系の『世界名作劇場』の地上波放送が一旦終了したほか、9年半にわたり人気を博した『とんねるずのみなさんのおかげです』も幕を閉じ、6月には後継番組となる『とんねるずのみなさんのおかげでした』がスタートしました。また、テレビ朝日系で5年間放送されたアニメ『美少女戦士セーラームーン』シリーズや、TBS系の情報番組『そこが知りたい』もこの年に終了しています。一方で、1月にはNHK大河ドラマ『毛利元就』やロケ番組『鶴瓶の家族に乾杯』が放送開始。4月にはテレビ東京系で『ポケットモンスター』のアニメ放送が始まり、後に世界的な人気シリーズへと発展しました。同月にはテレビ朝日系で大型情報番組『スーパーJチャンネル』が、読売テレビ・日本テレビ系で料理バラエティ『どっちの料理ショー』が放送開始。秋の改編期には、火曜夜のゴールデンタイムに日本テレビ系で生活情報バラエティ『伊東家の食卓』とトークバラエティ『踊る!さんま御殿!!』という二つの人気番組が同時にスタートしました。また、TBS系のスポーツバラエティ『筋肉番付』から生まれた企画『SASUKE』がスペシャル番組として放送され、こちらも後に独立した人気番組となります。音楽番組では、『題名のない音楽会』の長年の司会者であった黛敏郎が死去し、後に武田鉄矢らが司会を引き継いでリニューアルされました。ニュース番組では、フジテレビ系の夕方ニュース『FNNスーパータイム』が終了し、『FNNニュース555 ザ・ヒューマン』へ移行。テレビ朝日系の『ステーションEYE』も終了し、『ANNスーパーJチャンネル』へ承継されました。
社会的な出来事に対する報道も重要な役割を果たしました。2月には中国の鄧小平死去、4月にはペルーの日本大使公邸人質事件での警察突入、6月には神戸連続児童殺傷事件容疑者逮捕、11月には山一證券の自主廃業発表などが、NHKや民放各局で大きく、時には報道特別番組として伝えられました。8月にはイギリスのダイアナ元皇太子妃の事故死という衝撃的なニュースが入り、各局が関連報道に追われました。
特にテレビ史において大きな影響を与えた出来事として、12月16日に発生した「ポケモンショック」が挙げられます。テレビ東京系で放送されたアニメ『ポケットモンスター』の特殊な映像表現が原因で、光過敏性てんかんを発症する視聴者が多数発生し、大きな社会問題となりました。この事件は、アニメ制作における表現手法や、テレビ視聴環境に対する注意喚起を促すきっかけとなりました。
視聴率においては、サッカーワールドカップ・フランス大会のアジア地区予選が国民的な関心を集め、特に日本代表戦は軒並み高視聴率を記録しました。ドラマでは、フジテレビ系の『ひとつ屋根の下2』や『ラブジェネレーション』、TBS系の『渡る世間は鬼ばかり』（最終回）や『失楽園』などが高い数字をマークしました。バラエティ・歌番組では、年末の『NHK紅白歌合戦』が例年通り高い視聴率を獲得したほか、『SMAP×SMAP』や『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』のスペシャル版なども注目を集めました。アニメでは『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』、『名探偵コナン』や『クレヨンしんちゃん』といった人気作品が安定した視聴率を維持しました。年間視聴率では、日本テレビが4年連続となる三冠王を達成しています。
1997年は、放送技術の進歩、放送網の拡充、そして数多くの話題となった番組や社会現象を引き起こした出来事など、日本のテレビ放送の歴史において節目ともいえる多角的な動きが見られた一年でした。
まず、放送局の物理的な変化として挙げられるのが、フジテレビと関西テレビの相次ぐ本社移転です。フジテレビは3月に新宿区河田町から港区台場に、関西テレビは10月に北区西天満から扇町へそれぞれ移りました。特にフジテレビは新社屋への移転を記念し、7夜連続の特別番組を放送するなど、大きな話題となりました。さらに、この年は地方における民放局の開局も進み、4月1日には山形県にさくらんぼテレビジョン、高知県に高知さんさんテレビがそれぞれ開局。これにより、フジテレビ系列局の開局は一区切りを迎え、山形県では民放4系列4局のフルネット化が完了しました。一方、局運営においてはCM間引き問題が福岡放送と北陸放送で発覚し、民放連から会員活動停止処分を受けるという事態も発生しています。CS衛星放送では、パーフェクTV!が有料放送を開始したほか、年末にはディレクTVも放送を開始するなど、多チャンネル化への動きも見られました。また、NHK総合テレビがこの年から24時間終夜放送を開始し、テレビ視聴の可能性がさらに広がりました。
番組編成においては、長寿番組の終了やリニューアル、新たな人気番組の誕生が目立ちました。3月には1975年から20年以上続いたフジテレビ系の『世界名作劇場』の地上波放送が一旦終了したほか、9年半にわたり人気を博した『とんねるずのみなさんのおかげです』も幕を閉じ、6月には後継番組となる『とんねるずのみなさんのおかげでした』がスタートしました。また、テレビ朝日系で5年間放送されたアニメ『美少女戦士セーラームーン』シリーズや、TBS系の情報番組『そこが知りたい』もこの年に終了しています。一方で、1月にはNHK大河ドラマ『毛利元就』やロケ番組『鶴瓶の家族に乾杯』が放送開始。4月にはテレビ東京系で『ポケットモンスター』のアニメ放送が始まり、後に世界的な人気シリーズへと発展しました。同月にはテレビ朝日系で大型情報番組『スーパーJチャンネル』が、読売テレビ・日本テレビ系で料理バラエティ『どっちの料理ショー』が放送開始。秋の改編期には、火曜夜のゴールデンタイムに日本テレビ系で生活情報バラエティ『伊東家の食卓』とトークバラエティ『踊る!さんま御殿!!』という二つの人気番組が同時にスタートしました。また、TBS系のスポーツバラエティ『筋肉番付』から生まれた企画『SASUKE』がスペシャル番組として放送され、こちらも後に独立した人気番組となります。音楽番組では、『題名のない音楽会』の長年の司会者であった黛敏郎が死去し、後に武田鉄矢らが司会を引き継いでリニューアルされました。ニュース番組では、フジテレビ系の夕方ニュース『FNNスーパータイム』が終了し、『FNNニュース555 ザ・ヒューマン』へ移行。テレビ朝日系の『ステーションEYE』も終了し、『ANNスーパーJチャンネル』へ承継されました。
社会的な出来事に対する報道も重要な役割を果たしました。2月には中国の鄧小平死去、4月にはペルーの日本大使公邸人質事件での警察突入、6月には神戸連続児童殺傷事件容疑者逮捕、11月には山一證券の自主廃業発表などが、NHKや民放各局で大きく、時には報道特別番組として伝えられました。8月にはイギリスのダイアナ元皇太子妃の事故死という衝撃的なニュースが入り、各局が関連報道に追われました。
特にテレビ史において大きな影響を与えた出来事として、12月16日に発生した「ポケモンショック」が挙げられます。テレビ東京系で放送されたアニメ『ポケットモンスター』の特殊な映像表現が原因で、光過敏性てんかんを発症する視聴者が多数発生し、大きな社会問題となりました。この事件は、アニメ制作における表現手法や、テレビ視聴環境に対する注意喚起を促すきっかけとなりました。
視聴率においては、サッカーワールドカップ・フランス大会のアジア地区予選が国民的な関心を集め、特に日本代表戦は軒並み高視聴率を記録しました。ドラマでは、フジテレビ系の『ひとつ屋根の下2』や『ラブジェネレーション』、TBS系の『渡る世間は鬼ばかり』（最終回）や『失楽園』などが高い数字をマークしました。バラエティ・歌番組では、年末の『NHK紅白歌合戦』が例年通り高い視聴率を獲得したほか、『SMAP×SMAP』や『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』のスペシャル版なども注目を集めました。アニメでは『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』、『名探偵コナン』や『クレヨンしんちゃん』といった人気作品が安定した視聴率を維持しました。年間視聴率では、日本テレビが4年連続となる三冠王を達成しています。
1997年は、放送技術の進歩、放送網の拡充、そして数多くの話題となった番組や社会現象を引き起こした出来事など、日本のテレビ放送の歴史において節目ともいえる多角的な動きが見られた一年でした。
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