1/500スケール

1/500スケールについて

1/500スケールは、模型の世界で使われる縮尺の一つで、主に艦船や航空機の模型に用いられます。このスケールは、1/700スケールや1/350スケール|1_350スケールといった他の一般的な縮尺の中間に位置し、独特の存在感を持っています。近年、その特徴的なサイズ感から再び注目を集めています。

概要

1/500スケールの艦船模型は、第二次世界大戦中にアメリカ海軍が識別用模型として使用していた歴史があります。1960年代から70年代にかけて、複数のメーカーからプラモデルが発売されましたが、その後、1/700スケールが主流となるにつれて、新規開発は減少しました。

しかし、2009年にフジミが戦艦大和を新規開発したことで、状況は一変します。1/700と1/350の中間サイズとして、再びモデラーたちの関心を集め、コレクションの幅を広げる存在となりました。艦船模型以外にも、ダイキャスト製の航空機模型や、城郭などの建築物プラモデルもこのスケールで展開されています。

艦船プラモデル

1970年代以前、艦船プラモデルには標準的なスケールがなく、各社が独自の縮尺で展開していました。イギリスのフロッグ、アメリカのレンウォール、日本のニチモなどが1/500スケールを採用していました。

レンウォールは、1960年代のアメリカ海軍の軍艦を中心に14点ほど製品化しました。フロッグは、第二次世界大戦時のイギリス軍艦を6点製品化しました。両社とも1970年代後半に活動を停止しましたが、レンウォールの金型はレベルに譲渡され、一部が再発売されました。フロッグの金型はノボに引き継がれ、東欧圏のメーカーで生産が続けられました。

ニチモは、1960年代から70年代にかけて、日本の軍艦を中心に20点製品化しました。ドイツのポケット戦艦グラーフ・シュペーや原子力空母エンタープライズも発売されました。1978年の空母赤城が最後の製品となりました。

モノグラムのミサイル巡洋艦シカゴとコロンバスは、1/500に近い箱スケールで発売され、再発売時に1/500と表示されることがあります。レベルも同様に、箱スケールを基本とした製品の中に1/500に近い縮尺のものがあります。

フジミは、2009年に1/500スケールシリーズを立ち上げ、戦艦大和（終焉型）を発売しました。その後、戦艦長門や超大和型戦艦を含む大和のバリエーションを発売しています。2015年現在、大和、長門以外の艦船は商品化されていません。

艦船以外のプラモデル

1/500スケールでは、城郭などの建築物模型も存在します。かつては東宝模型から東京タワーや霞が関ビルなどが発売され、現在では童友社から姫路城、高知城、松江城などが発売されています。また、航空機のプラモデルではジャンボジェットなどが発売されたこともありました。

さらに、宇宙戦艦ヤマトなどのキャラクターモデルも1/500スケールで展開されています。ファインモールドからは、沖田艦と古代艦を基にした1/500スケールキットも発売されています。

ダイキャストモデル

ドイツのヘルパは、1/500スケールのダイキャスト製航空機完成模型「ヘルパウイング」シリーズを展開しています。製品数は1000点を超え、空港ジオラマ作成用のアクセサリーも発売されています。他にも、インフライトやホーガンなど、複数のメーカーから1/500スケールのダイキャスト製旅客機が発売されています。

プライザーからは、旅客機と組み合わせることが可能な、高さ4mmにも満たないインジェクション成形のフィギュアも発売されており、1/500スケールの模型の世界をさらに広げています。

まとめ

1/500スケールは、艦船模型だけでなく、航空機や建築物、キャラクターモデルまで幅広く展開されており、その独特なサイズ感が魅力です。プラモデル、ダイキャストモデルの両方でコレクションを楽しめるスケールとして、今後も新たな製品が登場することが期待されます。

模型の歴史を彩る1/500スケールは、今後もモデラーたちの創造性を刺激し、新たな表現を生み出すことでしょう。

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