1/6の夢旅人2002

1/6の夢旅人2002

「1/6の夢旅人2002」は、樋口了一によるシングルで、2003年にリリースされました。元々は1997年に制作された「1/6の夢旅人」が基になっていますが、権利上の理由からそのまま使用することができず、番組「水曜どうでしょう」のDVD制作の依頼を受けた樋口が、新しいメロディーでこの曲を生み出したのです。

この新曲は、冒頭の歌詞の順番を入れ替えた形で、元の韻をほとんどそのまま活かしつつ、全く異なるメロディーが組み合わさっています。樋口はこの曲の制作にあたって、数年にわたり北海道の人たちに親しまれていた元の曲を超えなければならないというプレッシャーを感じていたと述べています。

楽曲が完成すると、樋口は音源を「水曜どうでしょう」のディレクターである藤村忠寿に送付しました。その場で藤村は、この曲を聞いた瞬間に、番組の最終回のエンディング映像が頭に浮かんだと語っています。2002年9月25日には、同番組の最終エピソードのエンディングにて、フルコーラスが初めて披露されました。この時に使われた音源は樋口の自宅で収録されたものです。

その後、「1/6の夢旅人2002」は「水曜どうでしょうClassic」のエンディングテーマとしても使用され続けました。また、再放送版の「どうでしょうリターンズ」では、関連シーンで「2002」バージョンが流れるなど、幅広く親しまれる楽曲となりました。2003年には新たにレコーディングが行われ、CD EXTRA仕様で発売されました。タイトルの「2002」は、彼の楽曲がその年に公開された経緯から来ているのです。

発売当初のオリコン最高順位は162位でしたが、北海道の玉光堂では「世界に一つだけの花」を抑えてチャート1位を記録しました。その後、最高順位は31位に上昇しました。レーベル名「ランブータンレコード」は、番組内のキャラクターが口にした「お尻がランブータン」にちなんでいます。

2017年には、著作権問題が解決された「1/6の夢旅人」と共にハイレゾ音源が配信され、アナログレコードも発売されました。このハイレゾ版は、moraでランキング1位を獲得しました。

藤村ディレクターは、2018年に行われたトークショーで、元々は一度しか使われなかったこの曲が、今では番組の代名詞となっていると絶賛しました。「1日5回聞いても飽きない名曲」との評価を受けています。

また、この曲には興味深いエピソードがついています。「原付ベトナム縦断」のエンディングバージョンには、樋口が飼っていたインコの鳴き声が偶然に録音されてしまっていたのです。樋口はその音をそのまま使用し、「北海道の人たちは知らずに喜んでいる」と語っています。後に、CD版にはその鳴き声は含まれておらず、アレンジや歌詞も若干異なっています。

この楽曲は多くのメディアで使用されており、例えば北海道日本ハムファイターズの武田勝選手が引退まで登場曲として利用していました。樋口は彼の引退試合で生演奏を行ったこともあります。加えて、人気アイドルグループや他のアーティストによるカバーも多数存在し、広範囲にわたる影響を及ぼしています。

さらに、東日本大震災の被災地での復興イベントでも、樋口はこの歌を披露するなど、歌の可能性を感じつつ活動を続けています。このように、「1/6の夢旅人2002」はそのメロディーと歌詞を通じて、さまざまな人々に寄り添う存在となりました。

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