2000 SG344

2000 SG344の概要とその特徴

2000 SG344は、地球近傍に位置する天体で、天然の小惑星であるか人工的なものであるかは現在も議論されています。この天体は2000年9月にマウナケア天文台で発見され、その後1999年5月にも存在が確認されていることが分かりました。

物理的特徴

この天体の大きさはおよそ37メートルと推定され、形状は長短径の比が約2:1の棒状です。また、自転周期は約10分と非常に速い速度で回転しています。その質量は約71,000トンとされており、公転周期は353日、軌道の長半径は0.9775AU、離心率は0.0669という数値を持っています。これらの数値は地球の軌道に似ており、そのため地球との衝突のリスクが懸念されています。

人工物体の可能性

2000 SG344はその軌道の特徴から、天然の小惑星でなく、1970年頃にアポロ計画で打ち上げられたサターンVロケットの第3段、すなわちS-IVBである可能性が高いと考えられています。実際に、この天体は1971年に地球から非常に近い距離を通過していた記録があります。この場合、アポロ12号から15号のミッションで使用されたS-IVBが候補として挙げられますが、月面に衝突したS-IVBが多い中、生き残っているのはアポロ12号のものかもしれません。2002年には、別の天体がアポロ12号のS-IVBであることが確定しました。

このような経緯から、2000 SG344は自然の小惑星である可能性が高まり、有人探査の対象としても注目されています。

衝突リスク

2000 SG344は2000年11月に、2030年9月21日に地球に衝突する可能性が0.2%であると報じられました。しかし、その後の調査結果により、2010年にはこの天体が地球に接近する際のリスクがほぼ消失したとの発表がなされました。2030年9月22日には、最接近距離が地球から512万キロ程度になることが予測されており、月との距離の約13倍に相当します。

さらに、2061年には消失の期待があり、次に衝突リスクが指摘される日は2071年9月16日で、その確率は約1100分の1とされていますが、トリノスケールでは0、パレルモスケールは-3.20にとどまります。過去には1999年5月にも接近しており、この時は地球から56万8,000キロの距離に迫りました。

未来の探査と接近

2008年には、この天体が有人ミッションにおいて調査の候補となったこともあります。これは、2028年から2030年にかけて地球に近づくことが予想され、達成可能性が高くなるためです。また、2000 SG344は金星にも接近することがあり、過去には1974年と1988年にも接近した記録があります。

関連天体

この天体に関連するものとして、アポロ12号のS-IVBであるということが判明したJ002E3や、人工物体である可能性のある2010 KQ、スペースデブリと考えられていた6Q0B44E、天然の小惑星とされているが人工物と見なされることのある2006 RH120などがあります。

結論

2000 SG344は未だにその正体が解明されていない興味深い天体であり、近年の探査ミッションにも名を連ねる可能性がある注目すべき存在です。

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