2000トンの雨/フェニックス

山下達郎 シングル「2000トンの雨 ⁄ フェニックス」詳細解説

2003年6月11日にリリースされた山下達郎の38枚目のシングル「2000トンの雨 ⁄ フェニックス」は、映画主題歌と環境番組テーマソングという異色の組み合わせが特徴的な作品です。A面には、1978年のアルバム『GO AHEAD!』に収録されていた「2000トンの雨」の2003年版が、B面にはNHK環境番組『地球だい好き 環境新時代』のテーマソングとして書き下ろされた「フェニックス」が収録されています。

「2000トンの雨 (2003 New Vocal Remix)」

「2000トンの雨」は、もともとは1978年に制作された楽曲で、文化放送の電話リクエスト番組『電リク75』のエンディングテーマとして生まれたインストゥルメンタルのコード進行に歌が付け加えられたものです。当初はシングルカットを目指したものの、レコード会社の編成会議で却下された過去があり、山下達郎自身もトラウマとして語っている作品です。

シングルリリースに際しては、松竹映画『恋愛寫眞 Collage of Our life』の主題歌として使用されることになり、ボーカルの再録音とピアノのオーバーダビングが行われ、「2003 New Vocal Remix」として生まれ変わりました。このバージョンは、後にアルバム『SONORITE』とオールタイム・ベスト『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』にも収録されています。シングルには、映画で使用されたイントロとアウトロに山下達郎自身によるコーラスが加えられた「Movie End Title」バージョンも収録されました。

「フェニックス」

「フェニックス」は、NHK総合テレビの環境番組『地球だい好き 環境新時代』のために書き下ろされたテーマソングです。番組の放送時間の長さを考慮し、ポジティブなメッセージを込めた楽曲となっています。シングルには、番組のオープニングに使用されたインストゥルメンタルパートからサビへと繋がる「TV Opening」バージョンが収録されました。

さらに、「フェニックス」は2021年よりスタートしたNHKのSDGsキャンペーン「未来へ 17アクション」でも使用されました。このキャンペーンでは、アカペラバージョンが使用され、山下達郎自身もキャンペーンへの参加を喜びました。アカペラバージョンは、2022年リリースのアルバム『SOFTLY』に「フェニックス [2021 Version]」として収録されています。

まとめ

「2000トンの雨 ⁄ フェニックス」は、過去の楽曲の再解釈と新たな楽曲の創造、そして映画やテレビ番組とのコラボレーションという、山下達郎の幅広い音楽性を示すシングルと言えるでしょう。それぞれの楽曲のバージョン違いや、後年のキャンペーンでの使用など、長く愛され続けている楽曲であることがわかります。 様々なバリエーションが制作され、収録アルバムも複数存在することからも、このシングルが山下達郎のキャリアにおいて重要な位置を占めていることが伺えます。 「2000トンの雨」の過去の経緯や、「フェニックス」のSDGsキャンペーンへの活用など、楽曲にまつわるエピソードも興味深い点です。

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