2004年マラウイ総選挙

2004年マラウイ総選挙：詳細な分析

2004年5月20日、マラウイでは大統領選挙と国民議会議員選挙が同時に実施されました。当初は5月18日の予定でしたが、有権者リストの問題から2日延期されるという異例の事態となりました。

選挙後も混乱は続き、結果発表の遅れに対して野党が抗議行動を起こすなど、政治的な緊張が高まりました。最終的に、5月25日に選挙管理委員会が結果を発表し、統一民主戦線（UDF）のビング・ワ・ムタリカ候補の当選が確定しました。

ムタリカ氏は、当時大統領だったバキリ・ムルジ氏の後継者として、ムルジ政権からの禅譲という形で大統領の座を引き継ぎました。

しかし、選挙前の世論調査（信頼できるものは存在しないものの）では、野党連合であるムグウイリザノ連合のグアンダ・チャクアンバ候補が有利とされていました。この結果は、事前の予測を覆すものでした。

主要候補者

ビング・ワ・ムタリカ: 70歳（75歳以上という説も）。統一民主戦線のベテラン政治家であり、経済学者。ムルジ大統領の支援を受けました。
グアンダ・チャクアンバ: 69歳。ムグウイリザノ連合の代表。かつてヘイスティングズ・カムズ・バンダ政権下で要職を歴任。バンダ暗殺に関与した疑いで逮捕され、12年間服役した過去を持ち、国民的英雄としての側面も持っています。
ブラウン・ムピンガンジラ: 55歳。与党から独立し、国民民主同盟を設立して出馬しました。
ジャスティン・マレウェジ: ムルジ政権下で副大統領を務めましたが、統一民主戦線ではなく、人民進歩運動の代表として立候補しました。
* ジョン・テンボ: 72歳。マラウイ会議党の代表。

選挙結果

大統領選挙ではムタリカ氏が勝利しましたが、国民議会選挙では議席の構成に大きな変化が見られました。マラウイ会議党（MCP）が60議席を獲得し、統一民主戦線（UDF）が49議席、ムグウイリザノ連合が28議席、無所属が38議席となりました。

1999年の前回選挙と比較すると、統一民主戦線は93議席から大幅に議席を減らし、マラウイ会議党が勢力を拡大したことがわかります。

国際監視団

南部アフリカ選挙機構（EISA）が選挙の監視活動を行い、選挙の公正性と透明性の確保に努めました。

まとめ

2004年のマラウイ総選挙は、有権者登録の問題、結果発表の遅延、事前の世論調査とのずれなど、多くの課題を抱えた選挙でした。ムタリカ大統領の誕生は、マラウイの政治に新たな局面をもたらしましたが、国民議会における勢力図の変化は、今後の政治運営に影響を与える可能性があります。国際監視団の活動は、選挙の透明性を高める上で重要な役割を果たしました。

この選挙は、マラウイの民主主義の発展における重要な転換点であり、今後の政治動向を注視する必要があります。

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